たまには2人だけで






「この前、りんごちゃんとカレーパンを買いに隣町まで行ったんだけどね、道に迷っちゃって結局買えなかったんだ〜‥」

「そこ知ってるぞ」

「ほんと!?」

「ああ」

「今度一緒に行こう!凄く美味しいって聞いたから行きたかったの!」

「来週の土曜日、行くか」

「うん!約束!」


今、私は彼氏のとしゆきの家に遊びに来ている。そしてカレーパンの話をしていた


「楽しみだなぁ‥お金は五千円くらいあれば足りるかなあ?」

「何個食う気だ」

「自分の限界に挑戦してみたいし、りんごちゃんにもお土産買ってあげないとね!」

「冷え切ったカレーパンを渡すのか。嫌がらせの極みだな」

「親切心よ!」

「止めておけ。嫌がらせとしか思えん」


今日は久しぶりに二人でゆっくり会話が出来るのだ。いつもはヤナギン達と一緒にいるのでこうして二人で会話をすることが出来ない

今日くらいはとしゆきと二人っきりで過ごしたい。


「あ、そうだ。今度、数学の小テストがあるんだけど教えて‥」


「としゆきくーん!」
「おーい!としゆきー!」


外からヤナギンと生島の声が聞こえた。としゆきはため息をついているが立ち上がってベランダへ向かおうとした


「!」

「‥‥あ、ご、ごめ‥なんでもない!ほら、ヤナギン達が呼んでるよ!早く行ってあげて!」


私はベランダに行こうとしたとしゆきの裾を掴んでしまった。口では早く行ってあげてなんて言ったくせに裾を掴む手が離れない。離したくない

離せばとしゆきはヤナギン達のところへ行ってしまう。

自分の醜さに嫌気がさしたが、やはりどうしても嫉妬心が出てしまう


(ど、どうしよう‥なんか気まずくなっちゃったよ‥)


「‥‥‥愛」

「‥‥‥‥‥‥‥‥」


どうしていいかわからなくて俯いていたら、私の頭をとしゆきの温かい手が撫でた。


「すぐ戻る」

「‥‥‥うん、」


そこで私はようやくとしゆきの裾から手を離した。としゆきは机に置かれたお菓子を手に取り、下にいるヤナギン達に落とした


「わーい!お菓子だー!」
「お菓子ーっ!」

「それでも食ってろ、じゃあな」

(さ‥さすが、としゆき‥ヤナギン達の扱いが上級者すぎる‥)


そして、としゆきは戻ってきた。

「愛、今度の土曜日は教材とか持ってこいよ」

「え?な、なんで?」

「数学の小テストがあるんだろ?教えてやるから持ってこい」

「!‥うん!ありがとう!」



たまには2人だけで
ゆっくり話そうか




唐沢甘夢でした!‥甘いかこれ‥?
彼女いたらヤナギン達に
嫉妬しちゃったりしてそうです

やっと唐沢ネタが私に
舞い降りてきました^^

ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました!

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