綺麗に整頓されてあるモトハルの自室に今、顎に絆創膏が貼ってあるモトハルとそのモトハルの正面に座る愛がいる。
「モトハル、聞いたよ。ヒゲ剃り落とされたんだって?大丈夫?」
「‥べ、別に、なんともねぇよ」
「また強がって‥というか、絆創膏してるじゃない。怪我でもした?」
愛の手がモトハルの顎に貼られた絆創膏に触れようとした時‥
「触んなよ、大丈夫だって」
モトハルの手が近付く愛の手を振り払う。
「‥ちゃんと消毒しなさいよ」
「余計なお世話だ、ほんと愛のその心配性は治らねぇな」
「‥‥あっそ、悪かったわね。大切な幼馴染が怪我したって聞いて心配して来たけど‥そんなに迷惑ならもう心配しないし、二度と来ないわよ。じゃあね」
「え!?も、もう帰んのか?」
「私がいたら迷惑なんでしょ。」
「ま、待てよ!俺は別に迷惑なんて言ってねぇだろ!」
「なによ、めんどくさいわね」
立ち上がってドアへと向かう愛の手をモトハルは掴んだ。鬱陶しそうに愛はモトハルを見る。愛と目が合った瞬間、モトハルは愛から目を逸らした
「‥‥‥‥」
「なんで目逸らすのよ。」
「う、うるせえ、とりあえず座れ」
「私のこと目逸らすくらい嫌いなんでしょ。だったら帰ってやるわよ」
「ねーよ!」
「嫌いじゃん!」
「嫌いじゃねえ!」
「だって目逸らすじゃん!それに、心配しても冷たいし」
「そ、それは‥」
「ほら!今だって目合わせない!」
モトハルは自分を真っ直ぐ見詰めてくる愛の視線から目を逸らしていた。
「これで嫌いじゃないって言われても信用出来るか!そんな嫌いならハッキリと言えばいいでしょ!?お前なんか嫌いだ、お前なんかと目も合わせたくない!ってね!」
「‥‥黙って聞いてりゃ、好き勝手言いやがって‥!そんなに言って欲しけりゃ言ってやるよ!」
「ええ、言ってみなさいよ!」
「俺はお前が好きだ!お前と目合わせたら動悸がするから目合わせたくねーんだよバーカ!」
「なんだとこのヤロ‥ウ、」
手を振りかぶった愛の動きが止まった。そして目を見開いたままモトハルを見る。モトハルは両手で顔を覆ってる、隙間から見えた頬はとても赤かった。そんなモトハルを見た愛は一言‥
「‥‥乙女か!!」
「うるせえ!愛が言えって言ったんだろ!」
「なんで好きなのに冷たくするの?なんで好きなのに目合わせたくないの?バカなの?」
「あああ!近寄んな!」
「なに思春期男子の恋してんだよ!もう高二だろ!」
「お、俺はまだ思春期なんだよ!」
Adolescent boy まだまだ青臭い恋してます
アンケにあった思春期モトハルくんということなので、思春期特有の恋愛の仕方でお話を書きましたが‥ちょっと違ったかな?
でも思春期男子って好きな女子に冷たいし、目逸らすよね。
(4/11)
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