「あれ、かわいいよ!ちょっと見に行ってみよう、ミツオ君」
「おう」
今日はミツオ君とのデート。あまりデートとか小洒落たことを気にしないミツオ君が私をデートに誘ってくれたのはほぼ初めてだった。
そして、今日は私にとって年に一度の特別な日。ミツオ君は今日のことを知っていてデートに誘ってくれたんだろうか?
それならとても嬉しい。今日という日を覚えていてくれたなんて、
「これ、似合うかな?」
「似合うと思うよ、でも‥俺的に愛はこっちも似合うと思う」
買い物だって笑顔で付き合ってくれる優しいミツオ君。私は頬が緩むのを抑えられず、終始笑っていた。
「ど、どうかな?」
「ああ‥やっぱり、愛にはこっちが似合うと思ったんだ」
「ほんと?じゃ、じゃあこれ‥買っちゃおうかな‥なんて、」
私が冗談まじりにそういうとミツオ君は私の手から商品を取り、そして笑った
「ちょっと待ってて」
「え?」
「これ、プレゼントするよ」
私が否定の声を上げる前にミツオ君は商品を片手にレジに行ってしまった。なんだか申し訳ない。でもそれ以上に嬉しかった
「お待たせ、はい」
「ありがとう!ミツオ君!」
「どういたしまして、次行こうか」
私とミツオ君は手を繋いでゆっくりと街を歩く。なんだか恋人同士みたいで照れ臭い。いや、実際に恋人同士なのだけれど
こんな優しくて積極的なミツオ君は初めてなのでちょっと調子が狂う。私はミツオ君としばらく買い物をした‥
「たくさん買い物しちゃった」
「愛の気に入ったものがあってよかったな。また来よう」
夕焼けに街が染まってきた頃に私とミツオ君は公園に来ていた
ミツオ君のまた来ようという言葉に喜びを感じているとミツオ君がなにかを思い出したようにバッグの中を探る。
「ミツオ君?」
「あったあった‥愛、」
「なに?」
「誕生日おめでとう。」
そういってミツオ君はバッグの中から小さくてかわいい袋を取り出した
「あ‥ありがとう、ほんとに覚えててくれたんだ‥」
そう、今日は私の誕生日。
そして私はミツオ君の空気の読めなさを知っている。だからこそ正直、不安だった。でも、今日のミツオ君はやはり今までのミツオ君と違う
「当たり前だろ、た‥大切な‥か、彼女の誕生日なんだから」
頬を染めてそっぽを向くミツオ君に本当に嬉しくなる。そして私は袋を受けとった
「ありがとう‥開けていい?」
「あ、ああ‥」
私は袋を開ける。すると中には淡い桃色のハートのストラップが入っていた
「‥‥‥‥‥」
「‥き、気に入らなかった‥?」
「‥‥かわいい、」
「よかった‥愛は、ピンクが好きだったろ?だからピンクのストラップにしたんだ。喜んでくれてよかった」
ミツオ君は笑ったが、今度は私が顔を真っ赤にする番だ
私が以前、会話の中で何気なくピンクが好きだと言ったことをミツオ君は覚えていてくれたんだ‥
「‥大切にするね。」
ミツオ君の優しさが嬉しくて、私は初めて自分からミツオ君にキスをした。
うるとらはっぴーでいず 一年で一番幸せな日。
ある方のお誕生日ときいて! HAPPY BIRTHDAY!
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