呼びたくない訳じゃないんです





「あのー‥」

「なんですか?会長」

「‥俺達、男女のお付き合いをしてるんですよねぇ?」

「ええ、もうすぐで2ヶ月ですね」

北高生徒会室にいるのは北高生徒会会長とその彼女の愛。今、二人は生徒会室の掃除をしながら話している(他の生徒会メンバーは不祥事の対応に追われているため、不在)

「それは嬉しいんですが‥」

「どうしました?」

「かなりいまさらですけど、」

「はい」

「俺達、なんで未だに敬語を使ってるんですか?」

「‥さあ?なんとなくですね」

「敬語やめません?」

「会長がやめたらやめます」

「じゃあ、愛ちゃん。お互いに敬語はもうやめよう」

「うん、いいよ」

「‥随分とあっさり解決したね」

「揉めたかったの?」

「いや、そうじゃないけど‥さっきまで真剣に悩んでた自分がなんかこう‥あれなんだよ」

「意味わかんない」

「ま、まあいいや。もう一つ目の問題は解決した」

「まだなにかあるの?」

「重要なのは二つ目なんだよ」

「はあ、」

「なんで愛ちゃんは俺のことを名前で呼ばないの?」

「原作で名前出てないから」

「いや、それ言ったら終わりでしょう。いっそ俺のことはダーリンと」

「消えてください」

「すいません!」

「別にいいじゃん、呼び方なんて」

「お付き合いするなら普通、お互いの名前を呼んだりするものじゃないのか?」

「名前出てない人に言われても」

「だからいっそダーリンって」

「バカみたい」

雑巾で窓を拭きながら、愛は会長の言葉を切り捨てる

「会長は会長でしょ。それ以上でもそれ以下でもないし」

「そうだけどさ‥やっぱ彼氏としては複雑なんだよ」

「んなこと私に言われても。よし、窓拭き終わったよ」

「あ、ごめん。こっちも終わる」

「というかなんで私、北高の生徒会室掃除してんだろ」

「来た時、たまたま俺が掃除してたからじゃない?」

「生徒会長がこんな暇人なとこなんて初めて見た。なんで会長が掃除してんの」

「他の奴らは不祥事の後始末に追われてるからな」

「なんで会長が行かないんだよ!」

掃除用具を片付け、二人は席についた

「んで、名前の件だけど」

「却下」

「早いな!」

即答する愛に会長は肩を落とした

「なんでそんな嫌がるかな‥」

「嫌な訳じゃないけど、」

「あ、あいつら帰ってきた」

会長は窓の外を見て呟いた。その言葉を聞いた愛は席を立った。

「じゃあ、私はこれで」

「え?帰るの?」

「うん、お邪魔になるから」

「気にしなくていいのに」

「それじゃあ、気が向いたらまた北高に来るね。」

「校門まで送るよ」

「ありがとう」

愛と会長は生徒会室を出た。
そして校門へと歩き出す

「‥‥あ、今度、駅前に出来たラーメン屋行かない?そこ、結構うまかったんだ」

「うん。ラーメン食べた後さ、駅ビルに新しく出来た雑貨屋行こうよ。行きたいと思ってて」

「いいけど」

「あ、ここまででいいよ。」

「わかった、気をつけて」

「わざわざ校門まで送ってくれてありがとう、会長」

会長は名前を呼んでもらえないからか少し残念そうに眉尻を下げた。その表情に愛は少しだけ罪悪感を覚える

「‥じゃあ、また」

「‥‥‥‥‥‥‥‥」

会長はそういって踵を返した。愛はしばらく会長の背中を見ていたが‥

「‥‥ねえ!」

「なに?」

会長は足を止め、振り返った。


「   !」


顔を赤くした愛が会長の名前を呼んだ。会長は驚きから目を丸くしている

「デート、楽しみにしてるから!」

愛はそういうと踵を返し、歩き出した。

「‥愛ちゃん!俺も、楽しみにしてる!」

会長は優しく微笑み、愛の後ろ姿にそう告げた。


呼びたくない訳じゃないんです
ただ、恥ずかしいだけなの




初会長夢ですがいまいち会長のキャラが掴めていません←

会長好きなんですけど‥
敬語じゃない時の口調わかんね^p^

そして会長の名前は不明なんで
名前のとこは空白にしました。

でも会長は会長ですよね!

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