幸せの意味


「私もずっと前から三成様が好きなのかもしれません。
その…三成様が見合いの話で驚き、相手に渡したくないと聞いて
よ、余計に嬉しく思いましたので」

言い終わると顔を赤くさせてうつむいた。
三成はその仕草さえ愛しく思い、彼女を抱き締めた。
三成の腕にすっぽりと入った奈々詩は抱き締めている彼の胸に手を当てて体を預けた。

「月が…とても綺麗ですね」

「お前程ではない」

「ふふ、三成様ったら。私…幸せというのが分かった気がします。
今、とても嬉しさに満ちています」

三成はその言葉を聞くと、また奈々詩に口づけをした。

その後、三成が奈々詩を貰い受けることを秀吉とねねに言うと見合いの話は無しになった。
奈々詩はその事に対して申し訳なさそうにしていたが
秀吉とねねは寧ろ、見合いの話の時以上に喜んでいた。

そしてまた宴が始まった。
見合いが決まった時にした宴と違って奈々詩はよく笑うようになっていた。



...終...


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