幸せの意味


祝いの席での奈々詩の様子が少し変だと思った三成は宴が終わると自然と彼女を探していた。
城内をさ迷うと中庭に奈々詩がいたので足を止めた。

初めは見つけたら直ぐに声をかけようと思っていた三成なのだが
彼女が儚げな表情をし、彼岸花の茎をそっと撫でる姿があまりにも幻想的で
声をかけるか否か戸惑ってしまった。

「三成様?」

先程の奈々詩の光景を思い返していたので彼女を黙って見つめていた事に気づいた。

「ああ、すまぬ。お前がしていた考え事を聞いても良いか?」

「はい。その、見合いが決まってから、そことの同盟が組めれば
やっと秀吉様のお役に立てるんだと嬉しいはずなのに
なんだか変なんです。でも、考えても考えても答えは見つからなくて……」

そう、宴の時にねねが凄く嬉しそうに言った言葉と秀吉の笑顔が何故か奈々詩は心に刺さる。

『やっと奈々詩が幸せになるんだねっ、お前様!』

『ああ、そうじゃな。めいいっぱい幸せになってくれや、奈々詩!』

『は、はい……』

孤児だった私を秀吉様とおねね様は拾ってくれて育ててくださった。
なら、私はそんなお優しいお二人のお役に立ちたいと思っていた。
お二方が喜んでくださるのなら何でもしたい。
でも、あの宴の時の言葉と笑顔とは裏腹の事をしているようで、あまりいい気持ちにはならなかった。



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