※ハオさま独白。
いつもの3分の1以下しか文字数が無いので、凄く短いです。


好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ!

頭の中がその一語で埋め尽くされている。更に正確には、僕にそんな感情を覚えさせ、酷く残酷な飢餓感を味わわせる相手の姿や声音や体温が、僕の頭の中央を占拠している。葉。僕の双子の弟であり、半身だ。葉の事を想う度に、小さな嵐を身体の中へと無理矢理押し込んだ様な枯渇が荒れ狂う。溢れ出る衝動。欲求。出来ることなら葉の全てを喰らい、咀嚼し、舌の上で散々その味を堪能した末に飲み下して一つになりたい。僕は葉を手に入れたいのではなく、葉の全てを僕に取り込んでしまいたいのだ。交わる事に意味を見出だせず、混じわる事にこそ至上の魅力を感じる。そこにあるのは自分でも自嘲したくなる程の愚かな独占欲だ。自覚はある。けれど認めたくはない。葉の全てを僕に取り込んで飲み込んでしまいたい理由が、まさか葉を取り巻く全てに起因するものだなんて!
けれど実際の僕はそんな馬鹿げたことをしない。
例え止め度なく次々から次に展開される思考の片隅で葉を喰らい咀嚼し味わい尽くして飲み込んでも、だ。

「ハオ」

葉が不意に、嗜好と試行に塗れた思考を持て余した僕を呼ぶ。嗚呼、葉。葉。葉だ。僕の、葉だ。
出来ることなら今すぐ愛しい葉の全てを喰らい、咀嚼し、舌の上で散々その味を堪能した末に飲み下して一つになりたい。葉の全てを僕に取り込んでしまいたい。交わる事に意味を見出だせず、混じわる事にこそ至上の魅力を感じる。
けれど、嗚呼、しかし、しかしだ!
万一僕が葉を僕の一部にしてしまったら、それは既に葉ではなくただの僕の一部でしかない。そんなものはいらない。そんなものを僕は葉とは呼ばない。僕が欲しいのはそんな自分自身を反転し反響し反映させた残骸ではない。
だからこそ、僕は笑みを貼付けてそんな感情を押し込み、何も知らない憐れな葉へと触れることにする。
葉自身には到底言えもしない程残虐で傲慢な試行に塗れた嗜好を持て余していたとしても。例え思い付く限りの嗜虐的な嗜好の数々を僕の思考に存在する葉へ試行していたとしても、だ。
全てはこの一瞬の為に、残虐な嗜好も空想の試行も愚かな思考も押し込め咀嚼し飲み下す。

「うん?…ばぁか。好きに決まってるだろう」



望みの根底



嗚呼、僕だけに向けられるこの笑みの、なんと甘美なことか!

===

ぶっ飛んだ感じにテンション高いハオさまですみません・・・(笑)
原作ハオさまは言葉の意味や輪郭をとても丁寧になぞりながら扱う印象です。言葉遊びとか凄く好きそう。

2011.09.18

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