企画 | ナノ


眠らない夜  




お互いに背を向けてドンドンと距離が離れていく俺たち。

朝陽に向かって歩く俺と背を向けて歩く龍雅


「………帰ったところで直ぐに起こされるよな」


今日も学校があるわけだし。


学生の本分は勉強、なんて良く昔の人は言えたもんだよな……ちゃんと毎日学校という檻に入って役に立つのかも分からない勉強をみっちりやって。
一生付き合うかも分からないお友達と馴れ合って……俺にはちっとも訳が分からない。

何が楽しくて勉強するのか、友達と馴れ合うのか。


「面倒でしかない」


だからと言って行かねーと五月蝿い奴居るしな……行かないわけにもいかない。
なんて事言ったら俺も大概、結構なお人好しだって云われるんだが。

まあ、邪険にする訳にもいかねーし……あいつらと一緒に居ると楽なんだよな。
肩の荷が下りるっつーか、高校生なんだよなって実感出来るっつーか。


「きっと、好きなんだろーよ……あいつらが」


新しく点けた灯が夜の明けたばかりの空によく映え、フワリと宙を舞う一筋の紫煙が俺の目の端に止まる。
ふぅ……と肺まで入れた煙を吐き出せば目の前を真っ白く覆う紫煙。

人を好きになるのに理由なんて要らないとは良く言ったものだ。
気付いたらあいつらが好きで一緒に居て、気付いたら笑ってる俺がいる。


「困ったな……」


笑顔とは無縁の世界で生きてく俺が笑うとは……
残酷でなければならないのにな……
全く……


それでもまあ、今はこのままでいいか。
心安らぐ場所はたくさんあった方が良いしな。





「………………寝るか」


まず、帰ったら速攻ベッドに潜り込んで寝るか。眠いし
それで、昼ぐらいまで寝て学校行くかな
誰になんと言われようと昼夜逆転してる俺にとったら学校のある時間帯は睡眠時間なんだよ。

それなのに学校行く俺を誰か褒めて欲しいものだ。

ー To be continues ー


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