嫉妬心 「はぅ……はぁ……は」 「自分で挿れる? それとも俺が挿れる?」 「自分、で……挿れる」 「分かった」 まだ思うようにいかない身体を持ち上げて憐の腹の上に座る。 腰に……正確には尻に当たる硬いモノ。触ってないのに、一度吐き出したのにまだそれは硬くてそり立ってる。 俺のも例外ではないけど。 膝立ちになって少し後ろに下がって憐のモノに手を添えて腰を少し下ろしてそれを後ろの穴の入り口に当てる。 硬くて大きくて、だけどそれが気持ちよくて。 この先に待ち受ける快感を期待して俺のモノがブルリと震えた。 「腰、支えてようか?」 「ううん。大丈夫」 憐の申し出を断ると、大きく息を吐いて腰を下ろしていく。 自分でも解して、憐に解してもらったそこは柔らかくなって広がったハズなのに、それ以上に大きくて中々思うように先へ進まない。 「んぅ……は……ん」 「ん……祈李、力……抜け」 「わかって、るぅ……ぅ、ぁッ!」 ゆっくりと腰を下ろしていくと、イイトコロを掠めてそれにより力が抜けて一気に腰が落ち、深くまで繋がった。 それにより、あまりの気持ちよさに背中が仰け反り後ろに倒れそうになって憐に支えられた。 「大丈夫か?」 「ん……全部、入った」 「そうだな」 今、俺の中に憐が入ってる。そう思うと嬉しくて自分の腹の下辺りを撫でる。 すると、憐がその手の上に手を重ねてきた。 なんだか、それだけで幸せになる。 「憐……動いてもいい?」 「祈李がいいならいいよ」 「じゃあ動く」 俺がそう言うと憐の手が退き、俺は憐の腹の上に手を乗せて身体を支え、律動を開始する。 力が抜けててなかなか入らないからゆっくりでしか動けなくて、もどかしい。 イイトコロに当てようと動いてそこを掠めるたびに力が抜けて電流が走り一気に腰が落ちる。 その度に深く突かれて背中が仰け反る。 気持ちいい。 「あぁ……んんっ……ぁッ」 「あんまり、締めつけんな……は……祈李」 「ひあっ、ぁッ……む、り……んんっ」 グチャグチャ……パンパンーー 厭らしい音と肌が、骨同士がぶつかる音が部屋の中に木霊する。 そして、2人の荒く上擦った吐息と俺の嬌声。 その何もかもが頭の中を真っ白にする。なにも考えられなくなる。 ずっと同じ動きを繰り返し、中が痺れて全てが快感に変わり、身体を支えてるはずの腕が何度も何度もカクカクと折れて全くその役割を果たしていなくて。だけどもっともっと気持ちよくなりたくて、身体は貪欲に動き続ける。 ずっと同じ動きを繰り返していると、憐が俺のモノの先端をなぞるように撫でた。 「ひゃぁあっ、ぅ……ダメ、ぇ」 「祈李……もう、限界?」 憐はその事にいち早く気づいてくれて、そう聞いてきた憐に俺は動きを止める事なく頷く。 口からは止めどなく上擦った喘ぎ声が漏れるように出るだけだ。 「あぁん、ん……ぁッ」 「一緒に気持ちよくなるか」 「ん……なる、ぅ……ああっ」 憐の言葉にコクコクと頷けば、ひたすら動き続ける俺の動きに合わせるように突き上げてくる憐。 前のモノも弄りなから俺を絶頂へと追い上げてくる。 「ひゃぁあっ、や、……ダメ、ぇ……やぁあっ」 「ん……かわい」 自分で動いて憐に突き上げられて弄られて、そして憐の少し上擦った甘い声が俺の欲を掻き立てて湧きあがらせる。 もう、イく……イキそう 中の動きが変わったのか、それとも憐が俺がイキそうなのを感じ取ったのかわからないけど、憐が俺の腰を掴んでイイトコロを狙って突き上げてきた。 「あぁ……そこ、やっ、ダメっ……だめぇ……やぁあっ」 「んっ、……祈李、イけ」 「あぁ……い……ぁッ、あぁ、ぁッ……イ、く……ああああーーーー、っ……ぁッ」 「んっ、……くっ……!!」 俺がイくと、それに誘われるように憐が深く突き上げて中に欲を放った。 それを感じながら憐の上に横たわると、労わるように憐が頭を撫でてくれる。 力……入らない…… 憐の上から、退けれない。 「中の、抜いて掻き出すか?」 「ううん……まだいい」 「……なら、少し動くぞ?」 「ん」 俺の返事を聞くと憐は俺に刺激をなるべく与えないように動いて、ベッド脇に置かれたテーブルの上にあった自分の携帯を取って何処かに電話を掛けた。 そして、電話を持ってる手とは逆の手で俺を撫でた。 「あ、准ちゃん? 今日と明日休むからよろしく」 『欠席宣言とはいい度胸だな? 憐』 「連絡しただけマシだろ?」 『まあな……んで? 恋人といちゃいちゃするってか? まさか現在進行形とは言わねーよな?』 「そのまさか」 電話相手と楽しそうに会話する憐。 漏れてくる声からして相手が男だって事が分かって、少しだけムカついた。 憐が楽しそうに話してる姿、俺は全然見たことないのに相手はそんな憐を知ってて……俺の知らない憐を知ってる所にムカついた。 こんな醜い感情、憐と出会うまで持ったことも感じたことも無かったのにな…… 『ほどほどにしとけよ?』 「保証はしねーな」 『……まあ、別に個人の勝手だけどな…………あ、そうだ憐』 「あ?」 『来週からテストだから休むなよ?』 「今言うかよそれ」 ふはっ、と吹き出して笑う憐。 そんな楽しそうに笑う憐が見たくなくて首に絡みついて顔を埋める。 そして、首筋に噛みつき吸い付いた。 ーー今は、俺だけを見て欲しいーー 『お前がなかなか来ないのが悪いんだろ?』 「まあな……つか、そろそろ切るわ。拗ねて甘えてきたし……なにするか分かんねーから」 『へいへい……じゃ、来週忘れんなよ』 「分かってる」 通話を切って机に携帯を置いた音が聞こえ、顔を上げて憐を見つめると、ちゅっと触れるだけのキスが降ってきた。 「電話相手に嫉妬した?」 「…………してない」 「ふーん?」 「うそ。した」 「素直でよろしい」 なんで憐はなんでもお見通しなんだろう。 子供扱いみたいで嫌だけど、憐が俺だけを見てくれてるって分かってる嬉しくてどうでもよくなる。 ……俺って単純だな。 「俺が嫉妬しないぐらいもっと愛して」 「仰せのままに、お姫様」 今日はずっとベッドで愛を確かめ合って、明日はゆっくり過ごすんだ。 憐を独り占めできるこの時間が一番好きだ。 「憐、愛してる」 「俺も」 年下だとか、ベッドの上では関係ない。 お互いがお互いを愛してる。それだけでいいんだ。 ー END ー |