「お疲れさん、白石!」

「おん、みんなもお疲れさん」


結果から言えば、文化祭当日のライブは大成功を収めた。
あれだけ心配していた私の歌があの後の三日間で随分上達していたのもあるだろうが、何よりも私たちなりに楽しくその場を盛り上げることが出来たのが、成功した一番の理由だと思う。



「いやー、それにしても大盛況やったな今日のライブ!」

「ホンマやわ。まぁ一番歓声うけとったんが白石やったっちゅーのはなんや腹立つけどな」

「しゃーないやろ。ボーカルなんやし」


そんなユウジと謙也の会話に乾いた笑いが漏れる。
いや、だってライブ中に叫び過ぎて失神する人まで出たんだよ?そりゃまぁビビるわ。だからと言って、全く嬉しくなかったかと言えば嘘になるし。でも、一応私の前世は女な訳で。

……なんか複雑な気分だ。



「ほらほら、とりあえずはよ着替えろや。今日はうちでパーっと打ち上げパーティーやるでぇ!」

「あぁ、確か忍足ん家めっちゃデカイもんなぁ」

「あら、それは楽しみやねっ♪」

「ほなら、行こか」



今日は一日中ステージ衣装を着てたから、実は結構苦しかったんだよね。制服でいいから早く着替えたいよ。






























―――

(※以下若干の下ネタ有)



「ええからはよ来ぃや白石!」


「せやで、白石クン!せっかく広いお風呂なんやから一緒に流し合いっこしよやっ♪」


「金色が言うとなんややらしゅう聞こえるわ……」


「なんぼ言われたかて絶対嫌や!俺は一緒に入らへんからな!」



えーっ、いきなりの急展開に戸惑われた方も多くいらっしゃることと思います。そのような方のために、何故このようなことになったかを簡単に説明すると。


まず、謙也の家についた私たちは始めに晩御飯をご馳走になった。
その内容はまさにパーティーと呼ぶに相応しい、かなり豪華なものであり、私たちはそれをじっくりと堪能した。

そしてご飯も食べ終わり、次にみんなで格ゲーをやろうという話になる。
前世からの生粋のゲーマーである私は勿論飛びついて参加したのだが、これがまずかった。





この時の私はすっかり忘れていたのだ。









ここがテ○プリの世界であるということを。
















……とまぁ、後はご想像の通りだ。やたらとコントローラーさばきが速い謙也、声の物真似で対戦を掻き乱してくるユウジ、データに基づいた最善の策で確実に攻めてくる小春。

こんなチート軍団相手に、まともな勝負など始めから成り立つはずもなく。そのままの流れで、優勝した人は一つみんなに命令出来るなどという話になり、その命令により現在の状況が生まれたいう訳だ。(ちなみに優勝したのは小春だった)









で、みんなでお風呂に入ろうという話になったものの、ここで今一度思い出して欲しいことがある。










そう、前世の私は女だということだ。






つまり、いくら自分のアレを見慣れたとは言えども、流石に他人のアレを見る度胸までは持ち合わせない訳で。

当然の如く拒否した私だが、みんながそれを許してはくれなかった。





「いーやーやーっ!絶対入らんで!」


「なんで入らへんのや!女やあるまいし!」


「!」



なんか半分当たってるしぃぃぃっ!?なんで謙也はこんな時に限って妙に感が鋭いんだよぉぉぉっ!
でも、これ以上変に拒否したらもっと怪しまれるんじゃないか?ううん、それはまずいって!





「……あ、分かったで」


「……な、なん?」



え、もしかしてバレた?いやいや、流石に中身が女だなんて誰も予想は出来ないだろうし。でも観察力に長けたユウジのことだ。決して侮れな――












「……ずばり、アソコが小さいんやろ?」








…………。












「じゃかぁしぃわぁぁぁっ!!!」


「ぐふぉっ!!?」


「ひ、一氏ぃぃぃぃっ!!?」


「白石くんっ!?自分キャラ崩壊しとるでぇっ!?」


「やかましいわっ!ちゅうか今のは完全にセクハラやろ!?訴えるでホンマ!!」



それに、他の人のをまじまじと見たことないから分かんないけれど、別にちっちゃくはない……はず。多分。





「――とにかくっ!入るんやったら自分たちで入りぃや!俺は後で入らせて貰うさかい!」




「あぁ白石クンっ!待ってぇな!」

「……今度から絶対に白石だけは怒らせんどこ」

「………」





その後の彼らがどうなったのかは知らない。

……知らないったら知らない。








(寝る時は仲良く雑魚寝しました)



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