いつからだったかはもう思い出せないが、気がつけば私は暗い闇の中に居た。


始めの頃でこそ色々と混乱したけれど、今ではすっかり慣れたものだ。


今私がいる『ここ』は、基本的に闇に包まれている。
しかし、少し前から時折淡い光が差してくることがあるのだ。その光に向かってゆっくり手を伸ばすと、くぐもった誰かの声も聞こえてくる。声の感じからして、女性だろうか。


流石に暗い場所に一人でじっと何もせずにいると気が狂いそうだったので、暇になったら色々と身体を動かして遊んでいる。まぁ、身体が動かせるのだと気付いたのは結構最近なんだけどね。




それにしても、だいぶ長いことこの空間にいるけれど、今だに『私』は『私』がどうなったかいまいちよく分かっていない。

結局、『私』は死んだのだろうか。もし死んだのだったら、なぜ『私』は『私』を認識出来るのか。
考えれば考える程、分からないことだらけだ。







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