「聞いたか白石!入れ替えやて、入れ替え!」


「……忍足、そない大きな声出さんでも聞こえとる」



あの後、やはりというか、案の定謙也に捕まってしまった。
しかもめちゃくちゃテンション高いし。






「なんや白石、嬉しゅうないんか?もしかしたら俺たち、一緒に練習出来るかもしれへんのやで?もう少し喜んでもええんとちゃう?」



さりげなく自分はそのまま残留であると、さらりと確信している辺り、流石というかなんというか。
まさか、逆に負けて落ちてくるなんてことは考えてないだろうし。



「アホ、もしも俺が試合に勝ったらの話や。しかも、まずは初心者組の中で三位以内に入らなあかん。そない簡単な話やあらへんで」




そう、まずは初心者組でのリーグ戦で勝ち上がらなくてはならないのだ。その上、経験者組との試合。道のりは険しい。





「何言うとんのや、白石は毎日俺と打っとるんやで?負ける訳があらへん!」




言って、ガッツポーズをとる謙也。
一体、その自信は何処から来てるんだろうね?



そもそも、打ち合ってるとは言ったものの、謙也と私はほんのお遊び感覚でしか打ち合っていない。練習後に、私の経験値稼ぎのために軽くラリーする程度なのだ。


しかし、いつもは消極的な私も、今回は勝ちにいきたいと思っている。だって、せっかく機会があるのなら、やっぱり上を目指したいと思うじゃない。
だから、空き時間はひたすら壁打ちでもしようかな、とか。



そんなことを考えてたのに、謙也が明日から強化週間や!なんて言い出すものだから、結局私は明日の昼休み・部活後を使って一緒に特訓を行うこととなった。



とはいえ、謙也が練習に付き合ってくれるのはかなりありがたい。




これは是非頑張って勝ち残らないとね。
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