〜前回までのあらすじ〜
高杉を首位に立たせるため意気揚々と一位である銀時のパンツと順位を下ろしにきたまた子。しかし、なんやかんや銀時のズボンを下ろしたものの、その先に立ちふさがる赤い褌の前では、紅い弾丸といえどなすすべもなく、絶望にくずおれたのであった!

「そんな…これじゃ、一位の座から引きずり下ろすことができないっス…!褌の取り方なんてわからないし!」
己の無力さに打ちひしがれるまた子。紅桜篇では神楽に良いように振り回されシミツキパンツと小馬鹿にされ痰を吐き合うだけでろくに高杉の役に立てなかったことを悔悟し、なんとか挽回しようなんだったら卍解したって構わないと固く決意してここまできたというのにやはり所詮23位(第二回人気投票時点)それも発表の際名前の漢字を間違えられる程度の自分が作品名でもある『銀』の字を背負っている主人公に勝てるはずなどなかったのだ。視界がジワリと滲みそうになり、涙をこらえるようにぐっと歯噛みする。情けなくてしょうがなかった。そんなうなだれるまた子を見下ろしながら銀時は、褌の取り方がわからねェってことはGEMシリーズで白褌だった高杉とはまだヤってねェのかなとちょっと思った。
「あー、じゃあコレ(赤褌)取ってやろうか?」
「え?」
予想外の言葉にまた子が顔を上げる。涙目で見上げるまた子はぐうの音もでないほどきゃわわであったが、銀時はさした反応も見せずにずり下されたズボンを整える。
「なんかせっかく来てもらったのに悪ィしさあ。それに俺もそろそろ一位飽きてきたし、首位譲ってやってもいいと思ってるわけよ。」
「マジスか!」
内心こいつのこういう傲慢さってちょっとどうかと思う、と考えつつもこの際敵の塩だろうともらっておこうというせこい考えで気を持ち直してまた子は立ち上がる。
「マジマジマジすか学園。でもさすがにここでは恥ずかしいからあそこでいい?」
銀時が指をさした建物は明らかに休憩とかフリータイムとか宿泊とか書いてあるガンダーラ☆ブホテル的な建物だったが猪女と揶揄されるにふさわしい猪突猛進でそれに気づかぬまた子はやってきた時と同じように意気揚々と答えた。
「お願いするっス!」
ちょろい。ちょろすぎてちょろすぎて震えるほどちょろい。流石は武市先輩と高杉の区別がつかないだけのことはある。その天使っぷりゆるぎない。「ホントは悪魔かも」な男に勝てるはずもなかった。高杉のこととなるとちょろくてキュートな女の子略してチョロQ系女子また子の明日はどっちだ!!



でも入口あたりで「なんだか嫌な予感がするから帰る」ってまた子が言い出す。