強姦。暴力。刃物有。18禁ですがエロい描写はそんなにありません。ご注意ください。








 吐精したあとも名残惜しく留めていた性器を抜くと、まとわりついた体液に赤い色が混じってるのが見えて、とても満足した。こころから。
 ちょっとてこずったけれど、上手くいった。晴れやかな気持ちで唇が上がる。来島ちゃんからしたらこの微かな唇の動作はどう見えるのかな。なんて考えたけど当の本人は俺のことなんか見てなくて、折れていないほうの腕で顔を隠して泣いていた。うっ、うっ、と嗚咽に合わせてセーラー服をたくし上げられて露わになった白い胸が震えて、上手く息ができないんじゃないかって心配になるぐらい泣きじゃくってる。途中までは涙も悲鳴もある程度こらえてたみたいだけど、来島ちゃんの今までの人生の中でもきっとトップランカーを飾るであろう必死のお願いを無視して膣内に精液を出したら大泣きしだした。限界まで我慢して抵抗して最後に泣いちゃうなんて、かわいいなって思う。想像通り、理想通り。わざとやってんじゃないかってぐらい完璧。
 ひととおりのことを思い出してるうちに抑えきれなくなって、もう一回したくなった。ていうか何回でもしたい。これから何回だってできるんだけど、だからって今我慢する理由にはならない。愛とか恋とか性欲ってそういうもんじゃん。たぶん。
 脚を掴むと、来島ちゃんは嫌がって、ぐずるように呻きながら、胎児みたいに身体を丸めてしまう。なにかしのげるものがあるわけでもないのに、身を守るように体を丸めて全身を震わせてる来島ちゃんはとてもかわいい。守ってあげたいなって思う。もっと傷つけてやりたいなって思う。どっちも本当。
「じゃ、口でして」
 我ながらいい考え。なのに、来島ちゃんは髪の毛で顔を隠したまま、やだ、やだ、と繰り返す。だけど俺はもう口でしてもらう気になっちゃったし、ついさっきまで処女だった来島ちゃんはきっとフェラとかしたことないだろうから、だったらそっちの初めてももらいたいなって思って、来島ちゃんの顔を隠す腕を退かしてぐしゃぐしゃになった金髪を掴むと、震える唇の間に突っ込んだ。でも、震えと嗚咽に刃向かいながら噛みしめられた歯が邪魔をする。
「なぁ、口開いて。あと、噛まないでね。噛んだら、来島ちゃんが犯された写真撮ってあいつに送ったげる。」
 びくっといちど、身体がおおきく震えて、でも口は開かない。めんどくせーけど、仕方なしに傍に落ちてた赤いカバーの携帯を拾い上げる。ロックに0810って入れればすぐに開いた。馬鹿だねーかわいいねーっていうかこれは想像通りとか理想通りとか通り越して安直すぎてもはや笑える。カメラを起動させて威嚇射撃みたいにシャッター音を鳴らせば、ゆるゆると口を開いた。携帯をポケットに仕舞って、性器を口の中に押し込む。先で喉をついたときの弱弱しいうめき声もちょーかわいい。
 無抵抗な口内に擦りつけてるだけだから正直あんまり気持ちよくない。でも、来島ちゃんに口でしてもらってるって事実だけで興奮できるから別に構わなかった。もっと舌でなめたり吸ったりしてもらうのは、まぁおいおいってことで。
 そろそろってところで、抜いて顔にかけた。さっき仕舞った携帯で、今度はちゃんと来島ちゃんの顔にレンズを合わせて写真を撮る。嫌がって顔をそむけるとことか迫真のリアリティがあっていい感じ。
「もう来島ちゃんは俺のものだから」
 目の前の女の子に向けてっていうか、その向こう側にいる男に向けてっていうか、この世界のぜんぶのものにむけて言ってみたけど、来島ちゃんはただ俯いて静かに泣いている。もう抵抗する気力もないのかな。それは、とても、好都合だけど。
 鞄の底から目的のものを取り出す。ぺたんと座り込んだ華奢な肩を押して、もう一度床に倒した。脚を掴んでひらいても、もう先ほどのように嫌がる素振りすら見せなかった。ただ、折れて腫れ上がった腕が痛むのか、少し身じろぎするだけ。
 カチカチカチ、音を出すと、怯えた目が俺を見た。濡れた青い瞳がきれい。その中に俺が映っている、のを、みつめる。ゾクゾクとせりあがってくるものは、性的欲望とは別のものだろう。
 無意識にカチともう一度音を立てると、視線がそれた。瞳の中の俺は消える。手の中のカッターにようやく気付いたみたいで、なにするの、とかすれた声。
「ちゃんと、俺のものだって、名前書いとかねぇと」
 持ち物には名前を書きましょうねって習わなかった?
 なだめるように優しく笑ったつもりだったけど、来島ちゃんはますます顔を青ざめさせて、わななく唇で、やめて、とか、お願いだから、とかそういう意味合いの言葉をわめいた。
「さっきから来島ちゃんそればっかだね。でもやめないってわかってんでしょ。諦めてよ、そこんところは。俺のもの、なんだし。」
 気力を取り戻したらしい来島ちゃんは身をよじったり足をばたつかせて逃げようとする。人間の手から逃れようとする小動物みたいな様子が可愛らしい。俺に勝てるわけないのに。ただ俺が殺さないってだけで、死なないだけなのに。俺がそうしないってだけで、来島ちゃんが好きでもない男のちんこぶちこまれて中出しされてしゃぶらせられたってことが俺と来島ちゃん二人だけの秘密になってるってだけなのに。もうお前の人生お前だけのものじゃないんだよ。全部俺が決められるんだよ。
 体重をかけて抑え込んで、やわらかい内腿に刃先を当てた。冷たくくすんだ銀色が、鈍く光って、そこから零れ落ちる赤色に、同じように、満足した。こころから?違う。俺の辿ったみちすじすべてから、だ。
 あぁ、ほら、やっぱり、ぜんぶが、上手くいった。よかった。ねぇ、わかる?最高だよ。ちょー幸せ、かも。これから楽しみだね。セックスだけじゃなくて、デートしたり、手を繋いだりもしたいね。これまでのことも、これからのことも。ぜんぶ、ぜんぶ、こんな風に切り裂きながらなぞってあげる。来島ちゃんのこと、ずっとずっと大事にするね。神に誓うね。ちゃんと責任とるからね。だから安心してね。


(なんつって、くだらねー)