「俺の勝ちだよなぁ」ゲームだったら。おひさまの穏やかな公園で、沖田先輩はそう言ってカラコロと飴缶を振った。 子犬を爆竹で虐めていた輩を、先輩は半殺しにして爆竹を銜えさせ火をつけた。小気味よく発砲音は公園に響いて私の緩やかな領域は侵された。昼間からサボりに喧嘩っスかと声を掛ければ、 「お前こそ」と沖田先輩は返した。見ていて止めなかったんだからお前も同罪だろぉ。鼻で笑って、私の手から飴缶を取り上げたのだ。「何味食ってんの」「…レモン」「ふうん」じゃあ俺はこれだな、と赤い飴玉を口に放る。「いちご好きなんスか?」「別にぃ」じゃあなんで。視線で問えば先輩は、鉄棒に座ったままの私を少し見てから「こうも見えちゃあねぇ」と大袈裟に溜息をついた。




ツイッタで140文字小説っていうのが流行ってるらしいからちょっとやってみよう突発企画で貰ったもの。ちょうど2ツイート分です。