5000hits





さぁさ、今回は皆様お待ちかねの5000hits企画ですよ、と。今回は宣言通り俺はこのページ作っただけで何もしてませーん(笑)
前回書いた小話を創の視点で、今回は
創に書いて貰いました!!←ここ重要(笑)
言ってみるもんだよねぇ、まさかマジで書いて貰えるとは…って事でじっくり堪能してください。
俺もこれから楽しみたいと思いまーす







本が好きだ。
頁を捲る指先の感覚。音。紙の匂い。
いつしか現実を離れ、そこに広がる世界に浸る。

人が好きだ。
弱くて、脆くて、優しくて。
甘い考えかも知れないが、性善説を支持したい。

だから、駅から少し離れたその小さなブックカフェとの出会いは、必然だったのかも知れない。そして、……片平彩人との出逢いも。




「今日も寒ぃな………、ただいまー。」
カランカランと透き通るドアベルの音を響かせて、彩人が店に入ってくる。いつものように本棚へと直行する彩人の背をちらりと横目で見ながら、今日の読書もここまでかと、開いていた頁にさり気なく栞の紐を挟む。最近、一冊が中々読み終わらない。仕方がないだろう、気になる奴が隣にいても本に集中できる人間がいるのなら、教えを請いたいもんだ。
「おかえり。悪ぃけど今日はちょいと所用があって、早めに店閉めるから、さっさと飲めよ。」
 店主が珈琲を出しながら彩人に告げる。腰を下ろしたばかりの隣人は、案の定オーバーリアクションで、
「マジで?そういうのは前もって言って欲しいよね、俺とマスターの仲じゃん?聞いてないよー。」
「今言ったんだ、聞いてたら盗聴罪で訴えんぞ。」
 いつものように息の合った漫才を繰り広げる2人に小さく吹き出す。きっといつまで見てても飽きねぇんだろうなと思う。
「いいぜ、30分一本勝負だ。その後飲み行くぞ、創。」
「はいよー、明日は休みだからどこでも付き合うぜ。」
 言うや否や分厚い本に集中しだした彩人の隣で、最早読書を諦めた俺はスマホを取り出し飲み屋の新規開拓を始めた。





 東の空がうっすらと白み始めたものの、街は未だ夜の静寂に包まれている。白い息を吐きながら冷え切った道を一歩一歩進み、自宅を目指す。結局あの後居酒屋やバーを三軒梯子し、彩人は今、幼子のように俺の背で寝息を立てている。店先に転がして反省させようかとも思ったが、この季節だ。そして何より、こんなに無防備なこいつを放っておけるわけもなく、自宅まで15分程の距離を背負って帰っているところだ。
 好意を、伝えるつもりはなかった。あれは完全にコイツが悪いと思う。
 彩人は、基本的に誰にでも優しい。そして面倒見が良い。ブックカフェでの言動を見ていても、店員かと突っ込みたくなるほどに周囲の人間に気を回していて、頼られている。そんなコイツの優しさに惹かれてた訳なんだが、優しさは時に残酷なものだということを、どうやら理解していないらしい。
 二軒目の居酒屋を出て、三軒目に向かう途中の出来事だった。彩人の携帯が鳴った。既に大分酔いの回っていた彩人はディスプレイを見て、面倒臭そうに溜息をついた後「ちっと悪ぃ」と一言告げて通話を始めた。
「あー………もしもし?」
 電話の相手は、どうやら元恋人のようだ。向こうも酔っているらしく尋常じゃない声のボリュームで、こちらにまで会話が聞こえてしまう。
「おー………うん………うん………、あぁ………いやだから無理だって………うん………」
 つまり内容を掻い摘むと、だ。通話の相手は、一軒目で聞いた恋愛遍歴の話に登場した、直近の恋人らしい。なかなかに大変な相手だったと聞いてはいたが、どうやらそれは現在も健在らしく、別れた後も他の人間と失恋を繰り返しては彩人に復縁を迫っているようだ。彩人の方はもう気持ちがないらしいが、今から家に行くだの、もう死ぬだの喚き散らす相手を突き放すことも出来ず、困り果てた顔で応対していた。
「………おい、彩人。」
 10分経ち、20分経ち。痺れを切らした俺は、彩人に自分のスマホの画面を向ける。


ソイツと、続けてぇの?
切りてぇの?


画面を見た彩人はスマホを手に取るとその文字の下に、


切りてぇに決まってる。
が、方法がわかんねぇ。


と、入力して寄越してきた。方法なんて、幾らでもあるじゃねぇか。
 彩人の耳に当てられていたスマホを摘まむようにして取り上げると、通話口に呼びかける。
「もしもーし。」
『は!?アンタ誰…っ、彩人に替わっ』
「悪ぃね、彩チャンもう俺のモノなんで。」
『意味わかんねぇ、いいから彩人と替われっつってん』
「だーい好きな彩チャン、誰にも渡せないって言ってんの。ついでに彩チャン困らせる奴も、誰であろうが容赦しねぇぞ。」
 最後は低音で締めくくり、通話終了ボタンを押す。しばらく画面を見ていたが再度掛け直してくる気配はなく、彩人に投げて返却する。
「………すげぇ、咄嗟によくあんな台詞出てくるな。でも清々したわ、サンキュ。」
 鈍感すぎる目の前の男の額にデコピンをひとつ食らわせる。イテッと額を抑える彩人に向かって、はっきりと言ってやる。
「本心だよ。俺の気になってる相手は、…彩人、お前だよ。」
 俺も素面でなかったと言え、我ながら路上でよく言えたもんだと思う。彩人の反応はと言うと、一瞬フリーズしたように目を瞬いたものの、何故かそのタイミングで尿意を思い出したらしく、便所!と腕をぐいと引かれて三軒目に駆け込んでいった。





いつのまにか月は西の空に沈み、どこからか朝を待ち詫びた小鳥の囀りが聞こえ出す。
「大人びてて、達観してんのになぁ………危なっかしくて、目が離せねぇんだよ。」
 穏やかな相手の寝顔を見ながら、起こさないよう、小さく呟く。三軒目での様子を見る限り、きっと起きたら何も覚えてねぇんだろう。が、男に二言はねぇ。
「覚悟しろよー、彩人。簡単には諦めてやんねぇぞ?」
 夜風ですっかり冷たくなった相手の頬に軽く唇で触れると、ようやく外観が見えてきたアパートに向かって最後の歩を進めた。








はてさて、皆様いかがでしたか??
勿論俺的には楽しかった訳で(笑)
ほー…そんな事考えてたんか、と色々過去を懐かしみつつ。
続きやるかどうするか、と思うところでもあるんですが。敢えてやらずにおこうかなぁ…その後は皆様の妄想で、って事でどーよ?ダメ??
やっぱほら、書くと俺も創もさ色々、ねぇ?って事でさ。小話企画は今回でおしまい(笑)
次回からはまた何するか模索したいと思いまーす。


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オマケのケ





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