船の改造を手伝って欲しいといわれて赤毛を張っ倒して対して時間は経っていないのだけれど私はあぶれ組+aと一緒に大量の討伐のお仕事を背負い、彼らこと、ルークとイリア、コレットそれとエールと一緒に戦っているのだけれど、
想定外なことに私とルークしか前衛がいないというのと5人パーティなんて新手過ぎてやりずらいというか、戦う必要性がないような気がして始めはサボってしまおうかと思っていたのにも関わらずそれをやってしまうと前衛が一人になってまずい事に気づいた私は思いっきり鞘つきの刀を振り回す
「 なあ、ルーク 」
「 ん? 」
「 ガイは元気か? 」
最近顔あわせてないんだよなあ。と呟くように付け足すとルークがほんのり赤い顔でこっちを見た。え?私何かしたっけ?ガイに背中バッサリやられてエールがソレを根に持ってガイに突っぱねて、それで?エールに好き嫌い指導したとき以来、ガイには会ってない
「 げ、元気だと思う、けど 」
「 何か言いにくそうだな?討伐一通り終わったら相談に乗ってやろうか? 」
「 別にいいよ!それにこれは俺の問題じゃ、ないと思うし、 」
「 ルーク、言えることは
散沙雨ッ言っておく方が
閃空裂破ッ気持ち的にも
風雷神剣ッ!!楽だぞ! 」
ぜえぜえ、と呼吸を繰り返しながら鞘をしまうとルークがぽかん、と口をあけて私を見ている。確かに今までにない無茶苦茶をしたけれど舌を噛まなかったことを何よりも褒めて欲しい。なんだか苦行を成し遂げた感じがして、清々しくて仕方がないんだよね
「 あ、あのさ! 」
「 うん? 」
「 浅葱は、ガイのこと、好き、なのか? 」
少し後ろにいるルークをみようと振り返ると自分のことのように苦しそうに目を逸らすルークがいて、私はそれがなんだかおかしくてゆっくりと微笑んで緩んだ唇から、柔らかく声をだした
「 好きだよ 」
「 そ、そう―― 」
「 ――友達、仲間。恋ではないけれど好きだよ 」
後ろでざわつく女の子の声にルークが目を丸く開いて、耳まで真っ赤に染めて俯く。イリアやコレット、エールはガールズトークに進展しそうな勢いで私とルークの会話をネタに喋り始め、エールが時々複雑そうな表情をして私の手をぎゅっと握った
「 浅葱って好きなやつとかいんのかしら? 」
「 うーん…好きな人?浅葱は皆好きだと思うよ? 」
「 そういう意味じゃないっつーの 」
「 浅葱お姉ちゃんは皆大好きなんだよ!だからいっつも頑張ってるんだから! 」
私から手を離して、胸を張って言うエールにイリアがため息をついて、コレットはエールと同じ波長のようで二人で手を取り合って楽しそうに笑っている。
「 こんな風に、 」
「 浅葱? 」
「 毎日微笑ましい光景を見せられて恋だなんだって騒いでいられるほどね、私には余裕がないの 」
毎日沢山の人がくるくる回るように忙しなく動いて、たまに会わなくなる人もいて。それでも繋がっている。そんな状況でも私と貴方達が繋がっているのがわかるから
「 あの子達がこうやって笑っていられるのが嬉しくて、此処にいるようなものだし 」
「 …浅葱は、 」
「 なに? 」
「 浅葱はそれでいいのか? 」
先を歩いた三人のあとを追うように歩く私とルーク。
悲しげに視線を下に向けたまま私に聞いてくるルークは、私に言いにくそうに地面を見つめたまま歩いて、私の数歩先で立ち止まって振り返った
「 だって、私の今欲しいものは『記憶』、だよ? 」
上手く笑えていればいい
世紀末の嘘吐き。とか心の中でなんとなく響きのカッコイイ称号を自分につけて誤魔化すようにまた、笑う
「 そっか 」
「 うん 」
「 そう、だよな。浅葱は記憶喪失なんだから、 」
ごめんね。そう小さく、本当に掠れるような声で呟く。
だけどルークは聞こえずに一人納得したように歩き出して、遠くから手を降る3人に私は大きく手を振り返した
悲しく吐いた嘘だけ本当になればいいのに( 嘘ついてごめんね。がまだ言えない )
( いつか言える気もしない )
( それでも、私はただ、嘘を吐く )
11/0110.
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