「 …ちゃ、ん 」何か、誰かの声が聞こえる。誰の声だろう?『ちゃん』って事はもしかしたらタラオなのかもしれない。そうしたらTVの声だし起きなくたって問題はないだろう。昨日の夜何だか知らないけれどシンフォニアのあの3人組と延々とばば抜きをやらされて心底疲れたというか、精神的にやられてしまった私としてはもう少し休ませて欲しい
「 浅葱お姉ちゃんってば! 」
「 はっ!! 」
思わず飛び起きた。
いや、飛び起きてしまったというか耳元で可愛らしい声が叫ぶもんだから起きちゃったというか目を開けてみたらエールが必死な形相で後ろに立っている男性陣をバックに私を呼んでいた。夢か?夢なのか?私何かしたっけ?そういえば、ここのベット私の寝ているベットと違う匂いがするような気がしないことも、
「 なんで、貴女は男部屋で寝ているんでしょうねえ? 」
「 …え、嘘 」
「 無用心というか、トランプまでやらされていたと考えると貴女は本当に馬鹿ですか 」
「 …んー… 」
「 浅葱 」
「 浅葱ちゃん、どうせなら俺様の部屋にくればよか 」
「
ジャッジメント! 」
「
マジックシールドォ!! 」
いつもの日常は軽くスルーしても、トランプをやり始めていた時点では大丈夫だった気がするんだけどなあ。コレットもいたし、ロイドとジーニアスと仲良くババ抜きをしていたはずだ。ロイドがババ抜きについて『おばさん』は参加できないと信じていて私が華麗に『歳を老いても美しいお姉さま』に訂正をして記憶はある。でも、なぜここで寝てしまったんだろう
「 んー…記憶に無いなあ 」
「 浅葱、本当になんともないのか?どこか痛むとか 」
「 相手はロイドとジーニアスだし、問題はねえとは思うが 」
「 どういう意味さ! 」
「 なんだか、馬鹿にされてる気がするぞ! 」
「 子供は知らなくていいよ 」
精神的にな。とは言わないものの頭が働かない。
まだ寝ぼけているというか、寝起きなのにそこまで責められてたまるものか。なによりも、なんでみんなここに集まっているんだ。しかも、エールまで。一番最初にエールが私が部屋にいないことに気付いたのならありえる話だけども。
「 こ、子ども扱いしないでよね! 」
「 寝起きのせいかいつも以上に頭が回らなくて構えないんだ。ごめんな、ジーニアス 」
「 おや、チェスターのときは随分と口が回ったと聞きましたが 」
「 ああ、バスタオル一枚の時か 」
「 ちょっと待て、何でお前らいっせいにオレを見んだよ!あれはどう考えても事故だろうg
うわああああああああああああああ!! 」
「 その話はあとでじっくりと話し合うとしても本当に眠そうですね 」
「 まあ、眠い 」
瞼が落ちるというか、瞼がボトっと音を立てて落ちてしまいそうなくらい重たい。
疲れが溜まっていたんだろうか。じろりと赤い目を見ると、頭の上をぽんぽんと撫でられる。脳内を揺らさんで下さい
「 甲板にでてみたらその眠気も吹き飛ぶでしょうね 」
「 ん? 」
「 すごいものが見れますよ 」
「 すごい、もの? 」
まさか寝ている間に、ニアタ・モナドでてきちゃったんだろうか。そうだとしたらここにエールがいるのは行く前なのかその後なのか。後者だとしたらカノンノのところに色いで行かなきゃいけないし、前者だとしてもカノンノのところに行かないといけないんだけれども
「 ええ、遺跡のようなものが出てきまして 」
「 何処から? 」
「 海です 」
「 電磁波がどうとかいう海域で? 」
「 もちろん、その海域で 」
「 寝ぼけてるのかなあ 」
「 大丈夫ですよ、大分舌は回ってます 」
尚更こんな所でのんびりとしているわけにはいかないじゃないか、ジェイドさんよ!調べに行きたいような、ニアタに私という存在を見透かされてしまいそうで少しだけ嫌な気持ちになる。聞きたい事は、確かにあるんだけど
「 お姉ちゃん、行こう 」
「 エール? 」
「 カノンノ、きっと、待ってるから 」
私の手を震える手で握ったエールは、きっと出てくる瞬間を見てきたんだろう
「 待ってるから、一人は駄目だから。行こう 」
「 …そうだね 」
藻が頭についてるんだよ、エール。
お願いだから気付いてくれ!藻が頭にのってるんです!なんで誰も言ってあげないの?みんな意地悪なんですか。気付かない振りをしているんですかね、もう
「 行こう、か 」
覚悟を決めなくちゃ。
ニアタへの覚悟と、君の手にひっぱられながらそうやってその藻をとるかを
迷いながら、手を引かれて( お姉ちゃん、 )
( う、ん? )
( どうしたの? )
( あー、ちょっと目を瞑っていただけますか? )
( うん、いいよ? )
(( よっし、藻をゲット!このまま何処に返せばいいんだ?海か? ))
11/0227.
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