ディセンダー落下時間から経過3時間ほど。眠っているディセンダーをソファへと下ろして寝かせてあげていたのは良かったんだけれども寝ぼけているのか私の手をぎゅっと握ってしまったディセンダーに私は動く事が出来なくてその場に居座っていた。じぃっとディセンダーを見てみるけれどそこにいたのはカノンノと変わらないただの女の子。でもこれがディセンダーで。



「 …ん… 」



目をパチパチさせて私の方を見たディセンダーに私は首をかしげそうになる。本当に普通の女の子なのになんでこんな風にこの子に見覚えがあるかといえば自分の子だったって落ちならば笑えはしないのになんで微笑んでるんだろう私。どうしよう、変だ



「 大丈夫?痛いところはない? 」

「 … 」



言葉は発しないけれどゆっくりと頷いたディセンダー。なんだろう、可愛い。この生き物可愛い。なんかカノンノと同じ感じで可愛い。口元ニヤける、くそ、戻れ口角!



「 気がついたんだ、よかった… 」



未だにぎゅうっと握られている手を外すことなく振り向いた私の目線先、カノンノ。安心したように微笑んでいるカノンノに私の口元がすぐに戻ってディセンダーが不思議そうに首をかしげた。そんなに不満なんだろうか、微妙な無表情が



「 カノンノ、どう?お目覚めになったの? 」

「 パニール、見ての通りだ 」



パニールの登場に私も口を出すとディセンダーを見つめ、そのあと近寄る。私はそろそろ手汗がやばいんじゃないかと焦り、いや今現在も焦ってますけれども。もう手汗ですべるんじゃないかってくらい。だけどこの子手を離してくれないし!その白いグローブ汗で黄ばみますよ!?



「 あら、あれ、んまー。可愛らしいお嬢さまだことー 」

「 ? 」

「 ご無事で何よりだわ。ここは、バンエルティア号という船の中なの 」



にっこりと微笑んだであろうパニールはうふふ、と小さな声で微笑んでいる。やっぱり可愛い女の子は誰であろうと好きなんだよね、うん。私だけじゃなかった



「 私、カノンノ。あなたは? 」

「 …エール 」

「 エール…、いい名前ね 」



ディセンダーはエールといった。だけれどもそのエールって名前の名付け親は私です、すいません。いや、軽い気持ちでつけたわけじゃ…何となく好きだからって言葉って感じだったようなでも、これじゃあ軽いですよね、そうですよね。うん、真面目につけました!これ以上言ったらボロがでそう!



「 浅葱? 」

「 え、ああ、ごめん。どうした、カノンノ 」

「 エールが浅葱のこと知りたそうに見てるよ? 」

「 エール。私は浅葱だ 」



名前だけ。ただ名前だけそう告げるともう一度頷いたエール。



「 浅葱、 」

「 そうそう。浅葱 」



たどたどしい感じで呟いたエールに私が頷いてから空いている手で頭をなでてあげるとエールが嬉しそうに微笑む。ああ、可愛い。可愛いよこの子。カノンノも可愛いけれどもエールも可愛い。これがわが子愛ってやつなんだろうか。自分の子供を自慢したくなる親の心境なんだろうか!あああああ可愛さに胸がやられそう、



( 私の名を呼んだ )
( 私に笑ってくれた )
( それは私と人と変わらなかった )

10/0817.




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