「 陛下、ちょっと詳しく 」

「 あー…いや、 」



歯切れ悪そうに頭を書いた陛下を半場睨みながらベットの上で質問をする私に目をそらす。なんだ、やっぱりなにかやらかしていたのがばれたんだろうか。流石にコーヒーに砂糖20杯を溶かして持っていったときはコーヒーぶっ掛けられたけどね。笑顔で脅されたけどね!屈さなかったよ!私強い子だから頑張らなくちゃいけなくてねっ



「 なんですか 」

「 あのネガティブネストの崩壊の後、思い出せた奴等はお前をすごい探してるんだよ 」

「 それで? 」

「 『あの小娘、今度会ったら半殺しですね』って笑顔で言ってたもんだからつい 」

「 もう陛下大好き! 」



私は何故半殺しにあわなきゃいけないのかと頭の中の私と要相談だ。わけがわからんです。まだ半分とは言えど死にたくはないです。半殺しって要はあれですよね、体が反抗できない程度に肉体的意味で虐待されるわけですよね?私、彼の槍は3回しか避けた事ないんですが。今貰ったら確実に刺さるぞ



「 お前、これからどうする? 」

「 陰険眼鏡に見つからないように生きるしか… 」

「 いや、国籍とか一応手配はしてるから 」

「 え? 」

「 勿論選択肢は、アウリオンとカーティスになるんだが… 」



自ら彼らが名乗り出てくれたことを感謝しながらも頭の中でちらつく『半殺し』の言葉に震えそうです。



「 お前は、どうしたい? 」

「 え? 」

「 このまま身元不明でもいいならそれでもいい。でも何かと不便だろ 」

「 …否定はしないけど、新しく作るのは出来ない? 」

「 …保証人が必要だが、俺でいいなら構わないぞ 」



本物の娘になったら、甘えてしまうから



「 後で書類は持ってこさせる。あと、 」

「 なんでしょうか 」

「 ディセンダーが戻ってきたらパーティをやるんだが、『お前』はどうしたい 」



ゆっくりと頭の中で言葉をかみ締めながら首を横に振った。
私は出られない。陛下が私の名前を言えないように、あの人達はもっとわたしの事を忘れてしまっているだろうから。姿かたちは見て判断できても、名前までは思い出せないなんて不便だろう。言わないだけで、聞かないだけで、この人はもう私の名前は、



「 悪い、 」

「 浅葱です 」



この人は確か、初めて会ったときも軽く呼んでくれた



「 浅葱からははじめて聞いた 」

「 はい 」



ただ、あの時とは違って



「 傷つけてごめんな 」



悲しく笑う陛下をはじめて見ただなんて



( 皮肉交じりの言葉に )
( そうだな、と陛下がまた笑う )
( 傷ついたのは、私か彼か )

11/0202.




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