なんだか良い夢を見ていた気分だ。いい気分とはいえないが、目覚めはすこぶる悪い。絶不調。正にこの言葉に限る。何しろ、なんとも言いたくはないんだが、目の前にはあからさまに私の寝そべっている場所の品質のよさと値段の高さを表すようなものがある。天幕ベット。なぜこんな所で寝ている私。知らないうちに成金の家にでも嫁に行ってしまったんだろうか。お姫様扱いに鳥肌が立つぞ…!



「 おー、やっと目が覚めたか 」

「 うわあああああ!! 」

「 ちょ、静かにしろって!ジェイドにばれんだろ! 」

「 え、ええ?え、なにこれ、なにそれ、なんなの、私、あの、確か死んだんじゃ 」



目の前にいつしかの陛下。あのときのことも伏線だったというの!?なんてやつめ、私に白いドレスを着せようというものなら逃げる以前の問題で大臣の前に突き出してやる。どうせ、また仕事をサボって逃げてきたんだろう。じゃない、何で私ここにいるんだ



「 浜辺で拾った 」

「 はい? 」

「 むしろひろってきた、か。メイドがお前のこと思い出してな 」



いやいやいやいや、そうじゃないです。
そういうことじゃないんですよ、陛下



「 あの、私は確かネガティブネストで見えてないからわかんなかったけど多分一緒に崩れてって、で、もうすぐ消えるんだなって覚悟して目を閉じた、すごいカッコいい感じだったはずなんですよ 」

「 でも今生きてるだろ 」

「 …うん 」



何故だ。
何であの私らしいかつ、嘘をついてしてやったりな思考をしてたのに。なんだか不思議って言うかなんていうか!なんか、いやだ!



「 まあ、顔色はあんまり良くないが…飯でも食べれば元気出るだろ 」

「 そんなんだから好きな女性にモテないんですよ 」

「 !…お、お前、せっかくジェイドにばれないように隠してやってんのに! 」




( どういうことなの? )
( 何で隠されてるの? )
( 予備のめがね割った事がばれてるの? )

11/0202.




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