稲妻SS | ナノ

あかるちゃんへ




「ひいじいちゃーんっ!」
「待て!円堂カノン!」

今日も今日とて鉄塔広場で特訓をしていた円堂のもとに、ばたばたと近づく足音と聞き覚えのある声がふたつ聞こえる。
円堂は声の主を確認するため振り向くと、自分の未来のひ孫だという円堂カノンと、かつての敵であったバダップが勢いよく飛びついてきた。

「うわっ!?」

とっさに受け止めようとしたが、サッカーボールとは違って人間二人分の重みに耐えられるはずもなく、なかば押し倒されるような形で尻もちをついた。

「いててて…」

突然のことに頭がついていかない円堂は状況を把握しようと考えるがさっぱり分からない。
この二人は未来に帰ったはずなのに何故ここに居るのだろうか。そして何故自分に飛びついてきたのか。

頭にクエスチョンマークを浮かべている円堂に気付いたカノンは、がしっと円堂の肩を掴み、あのね、ひいじいちゃん!と声をかける。

「俺、もう一度ひいじいちゃんに会いたくて過去に行こうとしてたんだけどさ、バダップも行こうとしてたみたいだったから一緒に来ちゃった」
「だっ黙れ円堂カノン!」

照れているのかバダップは顔を真っ赤にしてカノンの胸元をつかみガクガクと揺さぶった。
カノンは動じることなく笑顔のまま「だって本当のことでしょー?」と返す。
未来からわざわざ自分に会いにやってきてくれるなんて、こんな嬉しいことがあるのだろうか。

「俺、すっっっげー嬉しいぜ!カノン、バダップ、ありがとな!」
「どういたしましてっ!」
「…礼には及ばない」

2人とも円堂の笑顔に心が和やかになるのを感じた。
カノンにいたっては「ひいじいちゃん大好き!」と言ってぎゅーっと抱き着いたので、バダップはそれに対抗するかのように「私のほうが好きだ!」と割り込んで抱き着いた。


(よーし、みんな!サッカーやろうぜ!!)(サッカーやろうぜっ!)(ああ、やろう)


‐‐‐‐‐
あーちゃんとのバダ円カノ交換に捧げます!私が貰ったやつと明らかに釣り合ってなくてごめんなさい><愛は込めました!!


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