稲妻SS | ナノ

美少年の恋/ミス円




※学パロ。
ミストレは3年で円堂は2年。



「不細工だね」
「は、」


知らない先輩からクラスメイトの女の子を介し廊下に呼び出された。
何の用だろうかと思ったが、とりあえず行ってみたら言われたのがコレだ。あんまりだ。

確かに目の前にいる青緑色の髪をみつあみで束ねている先輩は、俺とは違って女の人のように綺麗だった。
女性なのかと思ったが、男物の制服を着ているから男なのだろう。


「はあ。ったく、俺も何でこんなガキなんかに…」


先輩は綺麗な顔を歪め、けだるげに言う。最後のほうはよく聞こえなかったが馬鹿にされているのは間違いないだろう。


「悪かったな。そりゃあ俺はヒロトや吹雪みたいに格好良くも大人っぽくもないけどさ…」


口を尖らせながらもごもごと言うと、こんな小さな声も聞き逃さなかったようで、先輩の目つきが変わった。


「なに、キミにとっての理想は基山ヒロトや吹雪士郎ってこと?ふうーん………。あっそう…」


気にくわないなあ、と小さく呟いたような声が聞こえたような気がした。
それにしても3年生にまで名前を知られているなんて、やっぱりヒロトと吹雪はすごいなあとぼんやり思う。


「俺、もう行ってもいいですか?」


特に用があるわけではなさそうだと判断し、そう問い掛ける。
すると先輩は待ちなよ、と俺の腕を掴んで引き寄せ、頬に軽くキスをした。


「…えっ。……えぇえええーッ!?」
「うるさいよ」


そう言って今度は乱暴に口にキスをされた。


「んんーッ!むぐ、ぐ!………ぷはぁっ」


父ちゃん、母ちゃん。俺は今日男から2回もキスをされてしまいました。

あまりの急展開に頭がぐわんぐわんする。誰かまとめてくれよ。

困惑した顔で先輩の顔を見ると、先輩はくすりと笑って自分の唇を舐めた。
あまりにもその動作が色っぽくて、ドキッとした。


「俺、3年のミストレーネ・カルス。覚えておきなよ」


じゃあね、とやたら上から目線な発言の先輩はひらりと片手を挙げて去って行った。
俺はと言えばまだその場から動けなかったのだが。


「…な、何だったんだ…」


まさに嵐のような男だ。
そして、次の日から先輩が毎日会いに来るようになったのは言うまでもない。




‐‐‐‐‐
ミストレは「円堂守なんて別に容姿も性格もすば抜けて良いわけでも何でもないのに、どうしてこんなに気になるんだろう」的な感じだといいな。



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