ヒロ円
「犬が飼いたいなあ」
二人して部屋でごろごろしてると、ヒロトが呟くように、でも円堂には聞こえるくらいの声で言った。
「どんな犬がいいんだ?」
「んー、円堂くんみたいな感じの犬」
「それじゃわかんねーよ〜」
あはは、と笑った円堂が可愛かったので、ヒロトはくしゃりと頭を撫でた。
ふわふわした髪の毛が気持ち良くて、思わずわしゃわしゃと撫でると円堂くんが「俺は犬じゃないってば!」とまた笑った。
「ねえ、ワンって言って?」
「わんっ」
「よしよし」
「…何かヒロト馬鹿にしてないか?」
「そんなことないよ、可愛がってるだけ」
「ほんとかよ〜」
やっぱり円堂くんみたいな犬より、円堂くんのほうがいいなあと思った。