不円

「好きだよ、円堂くん!君のそのひt」
「そうか!サッカーやろうぜ!」
「ああん最後まで言わせてくれない円堂くんも好き!」
「円堂。完璧じゃなくても俺はサッカー」
「うんうん!楽しいよな!サッカーやろうぜ!」
「円堂!」
「円堂さはぁん!」
「円堂くうん!」
「よーしみんなサッカーやろうぜ!」


まったく、飽きもせず毎日よくやるよな。
不動はだだっ広いグラウンドで円堂を中心に群れるチームメイト達を遠巻きに見ていた。
不動も円堂に想いを寄せる一人なのだが、ああもあからさまに言い寄るようなことはしないでいた。…しないというよりは苦手なだけだが。

そんな不動の気持ちなど全く知らない円堂は、こちらを見ながら塀を相手に一人でパス練習をしている不動に気付き、大きく息を吸い込み思い切り叫ぶ。

「おぉーい!不動もこっちで一緒に練習しようぜー!!」

円堂が笑顔で手をふるのが見える。同時に円堂の背後でヒロトや立向居、風丸に豪炎寺といった円堂親衛隊の鬼のような形相も見えるのだが。

「はっ、仲良しこよしの練習なんざごめんだね!俺はこっちでいい」

円堂親衛隊のオーラに気圧された上に、素直になれない孤高の反逆児(笑)は持ち前のツンデレスキルを発動してしまい、内心激しく落ち込んでいた。
ヒロト達がナイスだと言わんばかりにいい笑顔で親指を立てているのが腹立たしい。(お前らほんと俺のこと嫌いだよな!)

「そう言うなよ不動。俺はお前ともやりたいんだ。…だめか?」

上目遣いでそう言った円堂があまりにも天使で俺は「やっぱりあきおもまぜてーっ!!」などと口走り乙女走りで円堂のもとへ向かったが、風丸の邪悪な笑顔と金属バットが視界に入ったところで俺の意識は途切れた。


→追記

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