ヒロ円

「まもるぅぅぅうううううう!!」
「どうしたヒロ… うわっ!」

どったーん。
ヒロトは疾風ダッシュ並みの走りを披露し、勢いが止まらず…いや、止める気もなく、円堂を巻き込み地面へ二人で倒れこむ。

「いたたた…ヒロト、どうした?何かあったのか?」

円堂は慣れているのか、特に慌てることもなくヒロトの顔を下から覗き込む。
すると、頬にぽたりと一滴の雫が落ちてきた。
ヒロトの涙だ。

「聞いてくれるの…? 守は優しいね。 ぐすっ」
「当たり前だろ?仲間が泣いてるのに放っとけるわけがない」

途端にヒロトの背景にバラが咲く。
溢れ出る円堂のイケメンオーラにヒロトのHPはもう僅かしか残っていない。
ちなみに先ほど咲かせたバラのせいでMPも大量消費済みである。

「実はさ…、晴矢と風介の喧嘩に巻き込まれて、俺の【円堂くんアルバム授業編】が…ボロボロに… ひっく」
「ヒロト…」

そんなもん作ってたのか。
いつ撮ったんだ。
授業編ってことは他にもあるのか。

一度にはツッコみきれないので、あえて口に出さず目だけで訴えてみた。
目が合った瞬間「ま、守…そんなに見つめられたら、俺…」と頬を染められてしまった。
鈍感な円堂でも「こいつは何か勘違いしている」そう思わざるを得なかった。

「ヒロト、気にすんなよ!写真なんかなくたって、俺はここに居るんだからさ」

な、と言って笑顔を向ける。
さすがはキャプテン、大人である。

「ま…ま…まもゆぅぅぅぅぅううううううう!!」

調子に乗ったヒロトは、円堂を力強く抱きしめる。
どさくさに紛れて円堂の首筋の匂いを嗅ぐことも忘れず。

「それにお前…





どうせネガ持ってんだろ?」

「…えへっ☆」

今日もイナズマジャパンは平和です。


→追記

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