ヒロ円風

「なあ風丸、…おれもうヒロトとわかれたい」

円堂は目に涙をいっぱい溜めて声を絞り出した。瞬きをすれば溢れてしまいそうな涙に視線が釘付けになる。

(ついにこの時がやってきたか、)

いつかはこんな時がくるだろうと思っていた。いくら円堂でも、ヒロトの狂ったような愛を受け入れ続けるほどの器はない。受け入れ続ければ、円堂は壊れてしまうだろう。

こらえきれなかった涙がぽたぽたと落ちる。風丸は円堂の頭を優しく撫で、そっか、とぽつりと言った。



(ああ、俺だったらお前を幸せにしてやれたのに)(風丸とだったら幸せになれたのかな)


→追記

第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -