◎ひみつルート


「花宮くんの卒アルゲーット」

「有栖川・・・おまえ殺されるぞ」

「バレなきゃなんの問題もないって花宮くんも言ってたよね?」

「それな!俺も気になるから早く見せろよ!」

「ところでどうやって入手したんだ?」

騒がしい教室内で嬉々として卒アルを掲げるいろはを、山崎が怪訝な顔つきで見ている。好奇心よりもバレた後の制裁を恐れ、悪ノリする原のように潔くのっかれないようだ。

「企業秘密。今吉さんのほにゃららとだけ言っておくね!」

「それ全然隠せてねーから」

光沢の入った布地のアルバムを机に置き、一枚ずつ丁寧な手つきでページを捲る。
見慣れない顔ぶれの中から花宮を探すのは難しいんじゃないのかという山崎の不安をよそに、数枚めくった後、いろははページをめくるのを止め目を凝らし始めた。

「いたアアアアア花宮くんいたアアアアアアア」

「うるっせーな!声でけーんだようっせーな!」

「ムッチャカワイイいいいいいまじカワイイいいいいい今より幼い花宮くんまじカワイギャワイイイイ!!!」

「キモ!ほんとこいつキモ!」

「今と何が違うのか聞きたいわ。着てる物以外で何が変わってんだよ。」

「全然違う!よ!!髪が若干短い!最後の全中前に撮ったのかな?夏前かな?3年生なりたてなのかな?微笑してるよね?妖艶だね!素敵!すき!少年からの脱却って感じであやうい!成長期バンザイ!今すぐタイムスリップして中3花宮くんに会いたい…!」

「ほんとこえーよ。」

「こいつ見てると世界って広いなって思うわ。」


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