08


神様、イエス様、仏様…普段無信仰のわたしをお許し下さい。明日からは、必ずお供えと共に祈りを捧げますので…
…お供えってお米とかでいいのかな?イエス様って日本人じゃないからム、ムギとか?ワインとか?

「おい」

「はっはい!」

すごまれた体制のまま、さらにすごまれた。近すぎて視線をどこに置いたらいいのか分からない眼球がウロウロと真くんの上履き辺りを彷徨う。

「なんか考え事してただろ?」

えっ?!

「いちいち顔に出てんだよ。この状況以上に考えなきゃならないことがあるとは思えないんだけどなーいろはチャン?」

ムギにするか米にするか悩んでたなんて死んでも言えない。
でもこのまま黙っててもエスパー花宮には、頭の中まで覗かれてしまう。(多分)


「そッ、それはそうと、わたしにな、何の用でッすかッ」

しまった。悪魔に恐れをなした様な声を出してしまった。声ひっくり返る。

「雑用」

「…え?」

「だから雑用」

え?と漏れそうになった疑問はくどいという一言と共に塞がれた。
お口を真くんの思ったより大きくて、硬い手に塞がれて、強制的に発言を剥奪された。

「おまえ、昔から人の周りチョロチョロしながら、細々としたことすんの得意だろ。だから雑用」

だからの活用方法が絶対間違ってる。だから、だから雑用って、イコールで繋げたみたいに言われたって明らかにことば足りてないし。これ以上何の補足が必要なんだよ?みたいな顔されたって、何言われてるかこれっぽっちも伝わってないから!

それに人のことチョロチョロって…ネズミじゃないんだから。それにわたしだって好きでチョロチョロしてたわけじゃないのよ!このおばか!

…っていうのを目で訴えたつもりだったけど全く伝わっていないようだ。

全く、エスパー花宮はこういう時に限って使えないなと思った瞬間さらに力をこめて塞がれた。


真くんの目が、おいちゃんと理解してんのかブスって言ってる。

わたしこそ新のエスパーかも知れない。…真くんの目力限定、のようだけれど。



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