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完全に高校生活が終わったと思ったわたしには、どうやらまだ希望が残されていたらしい。
なんと、真くんとはクラスも違えば階も違う。体育も重ならなかったし、このままちょっと気を使っていれば、わたしの高校生活は順調。何の問題もない。
意外にもわたしの高校生活は普通通りのスタートをきったのだが、クラスの緊張感も解かれ、学校にも慣れてきたある日、仲良くなった友達から「バスケ部覗きに行かない?」という誘いをかけられたのだ。
どうやら最近の女子生徒たちの間では、こっそりバスケ部を見に行くことが流行っているらしい。なぜだ。
目的はないがミーハー心を擽られ、わたしはバスケ部を覗きに行ったのだが速攻後悔した。
わたしを誘ってくれた友達や、体育館の重たい扉の周りに集まる女子の目的は「花宮真」の姿を一目みようと放課後こっそり覗きすることが目的だったらしい。
意味が分からない。
どうして突如、真くんが注目されることになったのか。バスケって今そんなに需要があるスポーツなの…?
隙間から真くんの姿を見た瞬間、ひっという悲鳴をなんとか堪えて逃亡をはかった。
誘ってくれた友達には悪いけど、こんなことでわたしの高校生活終わるわけには行かないのだ。
過去の真くんからもしかして性格が改善されたのかもしれないけれど。とういうより、昔から猫っ被りな彼のことだ。人間関係だってソツなくこなしてるに決まってる。
それでもわたしの前では猫がぼとぼと落ちてたんだから、見つかった時がやばい。
また幼少期のトラウマとなった出来事が再開するに違いない。
今日からはバスケ部を避ける為に体育館から遠い正門から帰ろう。
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