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「ぅえ…うっそ……」

「ほんとほんと。というか今更?だよ」

あまりのショックに卵焼き落とした。まだまだショックな脳内は現状に追いついてなくハテナマークが飛び交った。

「うん、むしろ花宮くんが結構色んな先輩と付き合ってるなんてよく聞くよ」

「同級より案外年上にモテるタイプだよねー」

「バスケもうまいらしいしねー見たことないけど」

友達の会話が脳内スルーしていく。

真くんがモテる…だと?!そんな、まさか、あんっあんなに性格悪い根性捻じ曲がっていた彼が、高校生になって、あまつモテてるなんて…!
ますます顔なんて合わせられないよ!


遡ること数年前…幼稚園、小学校と隣近所で(表面上)よく遊んでいた真くんこと花宮真とは、世間一般でいうところの幼馴染という間柄だった。

容量も良く賢い真くんと、その隣を歩くわたし。
真くんにしてみればかなりうざったい存在だったのだろう。幼馴染とすら思ってないと思う。というかわたしの存在すらもう彼の記憶にはないだろう。いやなくていいんだけどね。

とにかくわたしの行動ひとつひとつが気に食わないのか、テストの結果をばかにされ、ブスだトロイだと罵られ、幼少期のわたしはかなり真くんが苦手だった。

一緒にいたくなくても親同士が話してれば自然と2人で遊んできなさいなんて言われる始末。いやだなんて、真くんを気に入ってるお母さんに、しかも真くんのお母さんがいる前で言えるはずもなく、わたしはいつも仕方なく一緒にいた。

遊ぶわけでもおしゃべりするわけでもない、あの時間がだいきらいだった。

そんなわたしに転機が訪れたのは、小学4年生の時の転校。やった、これで離れられると思った。

そしてこの五年間、わたしは平和に暮らしていた。
それなのに、まさか、入学した高校先の入学式の新入生代表者が真くんだったなんて、まさに悪夢。

おわった、わたしの高校生活終わった。



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