◎山崎くんの説得



「ちょっと聞いて!」

「とりあえずパンを机に置け」

「今まさに!理想の人に出会っちゃった〜」

「パンがァァァァ」

「黒髪にさらりとした目元、控えめな笑顔と聞きやすい声…!まさに彼の姿は理想そのものっ」

「同級?」

「多分!そこですれ違ったの〜も〜夢に出てきて!」

「いたっけそんな奴…」

「古橋くんと歩いてた!」

「…え?」

「わたしがねパンすっとばしちゃって」

「また何もないとこで転んだのか…」

「そしたらはい…って」

「パン渡されただけで夢見心地かよ」

「膝ついて目の前にッ目がッもうッキャー」

「…んで名前なんだよ」

「わかんない。後で古橋くんに聞こうかなって」

「あのよ…まさかとは思うんだけど…そいつ俺より背が低くて」

「大抵は山崎くんより低いけどね」

「ずば抜けて頭良くて」

「頭脳まで確認出来てるわけないよね」

「黒髪で」

「それさっきわたし言った」

「………眉毛が特徴的で…」

「えっ?!山崎くん知り合い?!知り合いなの?!」

「おまえ…男見る目が鳥目だぞ…」

「どういう意味かゆってごらんなさい」

「フォークこっち向けんな!」

「山崎くんに何がわかるっていうのよ!」

「分かるわアホ!いいからアイツはやめとけ。目死んでるが古橋のがマシだぞ」

「古橋くんと彼は全然ジャンル違うよ!」

「遠くはないぞ。黒髪じゃん?」

「わたし黒髪フェチではないから。」

「やめといて今から違う理想の人を探した方がいいぞ」

「ほいほい出会うか!知り合いなら名前くらい教えてよ!」

「…名前教えたら諦めんのかよ」

「むしろ名前で諦めたいって思う名前って…」

「ハナミヤマコト。バスケ部の仲間」

「花宮真?…なにそれ、ますます好きになっちゃう」

「古橋もぜってー同じこと言うぞ」

「恋は障害がある方が燃えるってもんよ!」




説明も説得力も下手くそな山崎くん。


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