◎風紀委員な花宮


※花宮が風紀委員だったら


「有栖川さん」

きた…!

「有栖川いろはさん、こちらに」


放課後、ひとつしかない正門にバインダーを持つ風紀委員がずらりと並ぶ中、胡散臭い笑顔でこっちへこいと眼力で訴えてくる花宮真の元へとまたかという気持ちが表情から消せない。

毎月毎月、わたしなりに譲歩してるし特に他の生徒より派手なんてことはないはずなのになぜ毎回毎回呼び止められるのか…!


「…いい加減学習能力を身につけたらどうですか」

にっこーと口角あげて猫ひっかぶって笑ってるこいつの両目にレモンぶっかけたい。

「そっちこそ、こんなにきちんとした格好してる模範生の様なわたしにいちゃもんつけるのやめたら?!」


「どこがだよブス。模範生の意味調べてこい」


コイツ…!いい気になりやがって…!

「スカート丈だって膝上!髪の毛だってポニテ!メイクだってしてない!」

「スカート丈直したの5分前だろ。髪の毛コテ使ってんな。カラコンしてんじゃねーぞ」

「わっわたしだけじゃないじゃん!」


花宮がざっとわたしの上から下まで細かく視線を巡らせる。

もー!今年は担任が男だから、色々誤魔化せてるのに、その分花宮がめざとくチェックいれてくると、沽券にかかわる。うまくのらりくらり交わしてるんだからやめて!


「あっはー有栖川捕まってやんの」

今だに花宮から解放されずにいると後ろからうるさいのがきた。

「原、わたしとチェンジ」

「は?」

「あきらかにわたしより違反者でしょ。風紀委員さん働いて」


ガムに髪にだらしなさ。
格好の的である原を花宮に差し出す。

「おいっ道連れにすんな。生徒手帳にガム禁止なんて書いてねーよ。」

「服装だってわたしよりだらしないよ」

ゆりゆるのネクタイを指差すと、はいはい直しますと言って軽くネクタイをしめる。

「ちょっと花宮!わたしじゃなくて他に注意すべき人がいるじゃん!?」

「おいおいまさか俺のことじゃねーよな?」

「あんた以外に誰がいるっていうのよ?!」

「おまえらうるせーよ」


こっのバスケ部悪友軍団…!


原に回し蹴りをかまして、ダッシュで逃げた。逃亡をはかったが、「原、GO」という花宮の合図で追ってきた原に即刻捕まった。勘弁してよ!









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