◎ネット通販事件2


「で?実家に行くんじゃなかったの?」

「…家出た後に財布も定期もiPhoneも全部置いてきちゃったことに気づいて…」

「引くに引けず?」

「そう。だから徒歩でこれて知ってる家だと瀬戸くんの家でした・・・」

「つっても一駅分は歩くな」

「油断してた。最近おとなしかったから油断してたけど、花宮くんすごい遠回りに姑息な手を…!」

「(花宮にしては面倒な事してんな)」

「毎日毎日、自分の部屋がマリーちゃんグッズで埋め尽くされる日を夢見ていたのに、開けたら緑ドーン!」

「返品したら?」

「嫌いなわけじゃないの・・・嫌いなわけじゃないけど、こう…すごい期待させといて撃ち落とされたっていうか・・・」

「(花宮の楽しそうな顔が想像出来る)」

「瀬戸くんだったら絶対そんなこと「しないな。」

「世界中探しても、花宮くんしか普通しないよね!」

「(惚気なのかな)」

「おとなしくしてるから、ちょっとだけかくまって下さい。お願いします。」

「オレ寝てるからすきにどうぞ。」

「瀬戸くんの家、映画もドラマもDVDあってだいすき〜」

「(喧嘩する度にここに逃げ込んでくる癖、なんとかなんないかな)」






ピンポーン

「瀬戸くーん…は寝てるから、変わりに出てあげよう」

ピンポーン

「はいはーいっと、どちらさまですか」

ガチャッ

「ゲッ!花宮くん!」

「おいこらオマエはいつから健太郎ンちに世話になってんだ?」

「サ、サヨウナラ・・・」

「何閉めようとしているんですかー本当、酷い恋人だなぁ。浮気現場見せられて、その上黙秘権行使…慰謝料請求も覚悟して下さいね?」

「な に い っ て る の よ!酷いのは花宮くんでしょ!?ちょっとバカ力!ドアから手離せ!」

「へソ曲げる度に健太郎に迷惑かけてんじゃねーよ!オラさっさと帰るぞ。」

「やだやだ!DVDすごい中途半端なの!花宮くんだけ先に帰ってれば?」

「ざっけんな。いい加減にしろこのバカ!」

「…痴話喧嘩したいならせめてドア閉めろ。変な噂立てられる。オレが。」







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