◎おさけ


久々に酔ってしまった。高校時代の友達と同窓会みたいな雰囲気で集まって、欲求のままにアルコールを摂取したらすごく酔ってるみたい。酔ってるって自覚あるだけましだよね。でも視界がおかしなことになってるし眠たい。
みんなと最寄り駅で解散してから、タクシーをひろった。駅から家までいつもは歩く距離だし、夜とはいえそこまで暗い道でもない。途中にはコンビニもあるしわりりと夜でも明かりがあるほうだ。でも花宮くんは歩いて帰ってくるなって何度も言ってくる。一回、そんなに遅くないし、タクシー捕まえられなかったから歩いて帰ってきたら、すごい怒られた。反論すら許されなかった。

そんなにしょっちゅう飲み会へ出かけるわけではないし、遅くなる日も月に一回あるかないか。酔ってる頭で携帯を取り出して花宮くんに連絡。駅でました。
タクシーで揺られること5分ちょっと。お金払ってマンション入ると、入り口になぜか花宮くん。あれ、どうしたの?

「おまえ、酔ってるだろ。」

ったくどんだけ飲んできたんだよ?加減しながら飲めないなら飲むなって、だって後からきたんだもん。

「なんで酔ってるってわかったの?」

マンションの下まできてくれたのが嬉しくてふらふら〜と花宮くんに近づいて抱きつくと重いと一撃。しかたなく離れたらふらっとして腕掴まれた。

「おいまだ寝るな。」

エレベーターに乗って、部屋辿り着くころには疲労がどっときた。家着いて安心したからこのまま寝てしまいたけど、お風呂入りたい。
ぼーっと水を渡してくる花宮くんを見てたら、コップを唇に当てられる。そんな喉乾いてないけど喋れないから飲むしかない。飲み終わるとぐいっと唇拭われた。

花宮くんのこういうとこすき。あんまり遅くならないように気をつけてても、でももう日付変わってる。そんな時間まで寝ずに待っててくれるとこがだいすき。

「むしょーにキスしたくなった。してください」
「はいはい」

顎くいってやられて、中腰になった花宮くんが口紅なんかとっくに落ちた唇に、キスしてくれた。軽く合わせてちょっと唇まで舐めてくれた。えへへすき。

「さっさと風呂入ってこい、俺もう先寝るからな」
「寝てていーよー」

でもきっと起きて待っててくれる花宮くんを想像して、今日はシャワーにしようとわたしは急いでお風呂に向かった。



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