◎シチュー


花宮くんのタイプってこれでしょ。
ふふんとどや顔してやったら、じゃぁ努力しろよっていわれた。え、それいっちゃう?いっちゃうの??


花宮くんとは中学が一緒で、割と一方的に見ていたせいか無駄な知識は多い。カカオ100%がすきっていう意味わからん好みを入手した時は速攻ググってしまった。わー刺激強そうだね!って言ったら口にチョコレートつっこまれた。普通に食べれたけど、頭がんがん痛くなってくしゃみとまらなくなったから、チョコレートアレルギーであることが判明した。なんということだ!わたしチョコレート好きなんだけど!

味覚が大人っぽい花宮くん、好みのタイプはどちらかというと可愛らしいが目鼻立ちがすっきりとした子が好きなんではないかと予想したわたしは、ずらりと並ぶ雑誌の専属モデルの中のひとりをさしてみた。こう、化粧したら大人っぽくなるような・・・で、どう?って視線合わせたらこれですよ。努力でどうにかなるもんじゃないから。

あーでも・・・と別のメイク特集のページを開く。このモデルさんになりきりメイク!の特集を参考にしたらかなり近しくなるのではないだろうか・・・あと髪の毛にパーマかけてカラーして、この際美容院でこのモデルさんイメージでやってもらおうかな!

「ということで美容院行ってきた!」
「何考えてんだがわかんねーけど、早く飯食え」

今日は花宮くんが夕飯作ってくれた。シチューおいしい。

「で、どう?」
「は?何が?」

おいすっとぼけんな!この愛されゆるふわパーマ見て何が?じゃないから!いっつもその外にはねた髪なんとかしろとか言ってたんだからなんとかしたんだけど。

「かわいい?」
「寝言は寝て言ってくれ」
「はーん?」

はぁってため息ついてるけど、つきたいのわたしね!かわいいね、俺のためにしてくれたの?とか言ってくれないの?

「みれーちゃんみたいな髪型にしてきたの!」
「みれーちゃんって誰だよ。」
「こないだタイプって言った子だよ!」
「あー?そんな髪型してたか?結んでなかったか?」

それか!じゃぁちょっとポニテにしてみて・・・

「ほら!」
「・・・あーうん、もういいんじゃね?」

すごい投げやり。もー温度差がひどい。せっかく気合入れて美容院行ってきたのに・・・一気にテンション下がった。もうこのシチューおかわりしてやる。

あ、そういえば、友達オススメのチョコレートのお店言ったら珍しく100%カカオチョコレート売ってたんだ。忘れてた忘れてた、はい花宮くんお土産です。

「おまえその髪型最高にかわいいよ」

せめてこっち見て!


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