◎すやすや



「だっこして〜」

ふわふわのラグに座った状態で両手を広げてだっこをねだる。お願い!お願い!

「だっこしろ!」

「…邪魔すんなどけ」


コーヒーとカフェオレ両手に持った花宮くんは、器用にわたしの魔の手から逃れると、曇りガラスのテーブルにマグカップを慎重に置く。そのままソファにどかり。

「おねが〜い」

花宮くんの足の間に体を滑りこませウエストホールド。
胃のあたりでぐりぐりしてたら肩をぽんぽんされた。


「カフェオレ冷めるぞ」

「は〜い」


仕方なくカフェオレをすする。花宮くんもコーヒーを飲む。少し飲んでマグカップをテーブルに戻すと、ウエスト部分を腕全体でぐっともたれてそのままぐぐぐぐぐと引っ張りあげられた。
ぐぐぐぐぐとこっちの状況おかまいなしに引きずり上げられ、花宮くんの脚の間に収まった。ちょこんとソファーの端っこにお邪魔している。


「床座ってんな」


ラグもあったかいよって言おうと思ったけどやめた。ラグより、花宮くんの腕の中の方が気持ちいいいもん。


「ふふふ花宮くんいい匂い」

首元あたりすんすん。今日は課題やらないまったりデーなのかな。嬉しい。
今度は背中をぽんぽんされる。

このまま昼寝したいねって言ったら、わたしを抱えたままごろり。
ソファに座っていた姿勢のままごろんと体を倒した。いつもわたしがソファで寝てるとベッドで寝ろって怒るくせに。


花宮くんの腕の重みが妙に安心してすぐにお昼寝タイムに脳がシフトチェンジ。

「おやすみ」

「…おやすみ」

首元あたりにちゅっとされて、わたしはおやすみのキスで目を閉じた。


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