「案外その性格じゃ男なんて眼中に無いと思ってたが…そんなこともねえみたいだな」
「は、はい?」
「お前…わかってんのか?この状況」
「わ、わかってるつもり……です、けど……」


恥ずかしさと少しの恐怖で声が小さくなってしまう。
これはさすがに……やばいんじゃ、ないのか
だんだん近づいてくる原田先生の顔に耐えられなくなってぎゅうっ、と目をつぶる。


「忠告だ、なまえ」
「……っ、え?」
「そのままだと、お前、吉田に食われるぞ」


耳元で原田先生にそういわれて、ハッとして顔を上げると困ったような表情の原田先生がいた。


「朝会ったときからわかってたんだが……てっきり笑琉も気づいてると思ったんだよ」
「え、えーと…?」
「ここ、痕、ついてんぞ」
「!?!?///」
「んな真っ赤な顔して驚くなよ、俺がつけたみてえじゃねえか」
「あ…ご、ごめんなさい!……い、いやあ朝起きたときから気づいてたんですけど、ねぇ〜」
「忘れてたのか?」
「……はい」


ったく、お前はほんとに手がかかるな
そういって原田先生はジャージのポケットから絆創膏を取り出して私の首筋の痕を隠すためにはってくれた。
…じょ、女子力高いですね……!!


「あくまで俺の勘だがな、あいつは危ねえ」
「…吉田君、ですよね」
「あぁ。総司にでも相談してさっさと方付けたほうがいい」
「……、」
「なんなら俺が話つけてやろうか?」
「自分で、なんとかします。原田先生や沖田先輩に力を借りるのは…筋違いだと思う、ので」
「ばーか、ガキがそんなこと気にすんなって」


そういって優しい手つきで頭をなでてくれた。
その仕草で今までの恥ずかしさや恐怖から解放されてすこしだけ目が潤んだのは…あくびのせいにしよう。


「驚かせちまって悪かったな、ちとからかいすぎた」
「い、いえ!私こそ、なんか、すいませんでした」
「そこはありがとうございました、の間違えじゃねえか?」
「……ありがとうございました」
「おう。まあとにかく、体育祭が終わればあいつも近づきづらくなるだろ。それまでは二人きりで会うんじゃねえぞ」
「はい!」
「おーし、んじゃ作業再開だな!そろそろテント組も終わる頃だろ、なまえ、ちょっと男ども呼んできてくんねえか?」
「わっかりましたー!」


私はそういって原田先生にかるく頭を下げてからグランドのテント組へと走った。


……あれ?

原田先生、なんで痕つけたの吉田君だって知ってるんだろう…?





来たれ!体育祭☆3



(やっべえ、な)
(あいつに口止めすんの忘れちまった)
(あの二人にバレねえといいんだが…)



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