「そこまでだ!」
「こんな路地で何してたか気になって戻ってみたら…ビンゴだぜ」


街灯も差し込まない暗がりの路地。
アイザックはその中央でしゃがみ込んでいた。


「…クックック……」
「逃げようたって無駄だよ」


エドワードと対峙するように路地の反対にアルフォンスが立った。
退路を断たれたにもかかわらず、アイザックは不適な笑みを浮かべていた。


「逃げる?…必要ない」


ゆっくりと立ち上がったアイザックがそう口を開いた途端。
アイザックの足下が不気味に赤く光りだした。その途端、セントラルの至る所で同じような赤い光が天に向かって稲妻のように光りだす。


「同時に…こんな錬成反応…」
「こんなの…ありえない、まさか…」
「賢者の石!」


そして異様なほど冷たい空気の流れが路地を吹き抜け、氷付けにしてゆく。しかしなおもアイザックは路地に立ち、エドワードを睨みつけた。


「エドワード・エルリック!軍の狗、国家錬金術師よ!お前はこの国が何をしようとしているのか知っているか!?」
「知るか!そんなことより「知れば!私のしようとしていることがわかるはずだ!!」
「知らねえっつってんだろ!」


すると突然アイザックの背後にあった氷の壁を飛び越えてアルフォンスがアイザックに殴り掛かった。アイザックも応戦するが意味なく水路の手すりまで蹴り飛ばされる。


「よしアル、よくやった!」
「兄さん!この人の錬金術…」
「あぁ、おいあんた!賢者の石持ってんだろ?」
「何の話だ?」
「言わねぇんなら力づくで…」
「わかんねえこと言ってる場合かよ!!!」


_______
_____
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「大佐がやられたぁ!??」


無線越しのリザさんの報告を聞いて思わず大声をあげてしまった。


『ええ、すまないわねシエルちゃん。大佐ごと発火布が濡れちゃってね…』
「本当に無能ですねあの人」
『えぇ。…それで大佐からの伝言なんだけど、救護はもう大丈夫だからエドワード君たちと合流してアイザックの確保に回ってくれないかしら』
「、了解!」
『くれぐれも気をつけて』
「うん、リザさんも」
『ええ』



無線を切って憲兵さんに渡すと同時に不気味な気配が背中に伝わった。急いで後ろを振り向くとそこには赤黒く光る____錬成反応。
同じような錬成反応がいくつも起こり、……まるでそれはセントラルを囲っているようだった。


「っ、まずい!」


私は勢いよく駆け出した。





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