セントラルシティ

__中央司令部

私が国家資格を取得した二日後、セントラルに用があるといっていたロイさんがイーストシティを離れる前の日のことだった。
国家資格を取った私は「研究所とかで研究とかできるんですか?あ、軍の秘密資料とか見れたりしちゃいます?」とロイさんになんとなく聞いてみたところ、
ロイさんは「うむ、そうだな」といってリザさんと何かを話したあと「シエル、君もセントラルに来るがいい」と言ってきた。


「へ?セントラル?ロイさんたちと?」
「そうだ。セントラルにある五つの_あー、今は四つだったか。研究所があるんだがそれを君に紹介しようと思ってな」
「ほえぇーー…さすが都会」
「君も立派な国家錬金術師なんだ、見ておくといい」
「わっかりましたー!そうと決まったら早速準備せねば!」
「明日の朝、迎えにいくから宿で待ってなさい」
「はいはーいっ」


実はずっとセントラルに行ってみたかったのです。なにせ私、田舎者ですから!
私はるんるん気分で宿に戻った。

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「で、シエル、いつまでそんな格好で軍部を歩き回るつもりだ?悪い虫が付く」
「なぁに言ってるんですかロイさん。もう虫ならとっくに付いてるじゃないですか」
「な!!誰だ!?」


「はは、あなたですよ」と嫌味ったらしく言ってやった。
こちら中央司令部。セントラルにつくや否や研究所のことなんてまるで初めから無かったかのように、私はロイさんのパシリとして働かせられるだけだった。
もはやパシリにするために呼ばれたとしか思えないくらいの仕打ちに私は相当お怒りな訳です。やっとパシリから解放されて軍の書庫の資料を読んでいたら有無を言わさずに「着いてこい」ときた。
(一応上司なので)蹴り飛ばしたい衝動を抑えて嫌味を言ってみたのに、またいつもの可愛い冗談だなとむしろ上機嫌にさせてしまった。くっそぅこのスケコマシめ……!!


「シエルを私服で連れてくるのは間違いだったな……ええい、もうこの際軍人になりたまえ、ああそれがいい、そうしよう」
「やだ私ロイさんの部下になんかなりたくない!いやだ無理です無理無理!」
「何言っている、ついこの前からシエルは私の部下も同然じゃないか」
「えええーやっぱそうなっちゃうんですか?ってええそうですよねでなきゃ私をパシリになんかしませんよねええ」
「はは、すまなかったよ。私と中尉だけじゃとても手に負えなくてな。今度食事にで「結構です」


まあでもおいしい料理をたくさん食べられるなら一回くらい行ってもいいかなぁなんて思っていると、目的地に着いたのかロイさんはとある部屋のドアを開けて「はいりたまえ」と言った。
執務室らしい部屋に入ると会話をしていたらしい4人はこちらを向いた。室内には中尉やヒューズ中佐、その他に金髪に赤いコートの少年と大きな鎧がいた。
注がれる視線に戸惑って隣にいたロイさんを見上げると、ロイさんは「待たせてしまってすまなかったな」といって私の背を押して部屋の中央へと歩いた。


「おーおー待ちくたびれたぜ大佐、人のこと呼び出しておいて何してたんだ?」
「ちょ、兄さんそんな言い方…」
「そうだな、ではまずこの子を紹介しよう」


そういってロイさんは私の両肩に手を置いて楽しそうに言った。


「先日晴れて国家錬金術師となった”葵の錬金術師”だ。女性では最年少国家錬金術師だぞ」
「シエル・カートンです。…よろしく」
「葵の錬金術師……って、あの医療系錬金術に長けたってやつか!?」
「まあ…はい、そうです」
「東部出身の錬金術師だ、って新聞に書いてあったから大佐に聞いたら何か情報がもらえるかなぁって思ってたけど…まさかこんなに早く会えるなんて!」
「そうだな!手間が省けてラッキーだぜ」
「あのー、あなたは?」
「あぁ、俺は鋼の錬金術師、エドワード・エルリックだ。で、こっちが弟のアルフォンス。よろしくな!」


そういって赤いコートの少年__エドワードが手を差し出した。

__パンッ


「よろしくね、鋼のおちびちゃん!」




First meeting

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