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「きょーやっ!!」

「…何?
僕今忙しいんだけど」








書類を片付けていると、休みにも関わらず幼なじみである紅月が珍しく来ていて応接室の扉を壊れんばかりに勢いよく開けてきた。

なかなか片付かない書類に苛立たしげに話す雲雀とは対象にニコニコと紅月はズカズカと歩いてきて机をバンッと叩く。





暫く雲雀を見た後に彼女は"はぁ…"と小さくため息をついた。







「全く…こんな日にまでまた仕事?
今日予定空けて欲しかったんだけど。」

「今日何かあるの?」

「…やっぱり…
恭弥、今日は何月何日?」








聞いているのは雲雀の方なのに、紅月は意味の分からない事を聞き返した。







「何言ってるの。
今日は5月───…」







あ…、と雲雀は何日なのか、紅月が何が言いたいのかを理解した。
彼女の方を見ると小さく笑って雲雀を見ていた。








「思い出した?」

「…僕の誕生日って言いたいんでしょ?
毎年祝ってるよね、君。」







へへっ、と少し紅月ははにかんだ。
お転婆だけどこういうところは可愛いって思うのは自分だけの秘密。







「出来るだけの仕事は草壁にやってくれるように頼んであるから、ちょっと出掛けよう?」

「でも」

「でもも待ったも無し!!
ほら行こう!!」

「ちょ…」








横に移動してきた紅月は雲雀の手を無理矢理引っ張って雲雀を応接室から連れ出す。
出る際に扉の後ろにいた哲がもの言いたげに微笑んでいた。








─────────
──────







「…紅月。」

「んー?」

「僕が群れを嫌ってるの知らないわけないよね。」

「勿論♪
あ、今日は我慢してね。
明日からなら良いから。」

「はぁ……
ん…?」


───────
─────








GWでもある所為か、平日以上に人の多い道を掻き分けながら雲雀は紅月に半日引っ張り回された。






最後に連れて来られたのは人気の全く…というか、海面と5メートル程度の高さしかない人気の無い小さな崖だった。


場所も大して広くなく、森の小道を通った先にある場所だから人が来ないようだ。
ただ、そこから見る景色は雲雀でも素直に綺麗だな、と思えた。







「恭弥って欲しいもの無いの?」

「?」

「ずっといろんなお店行ったのに欲しそうなもの無いみたいだから…


私何もあげられないじゃない…」







しゅん…とうなだれる紅月に雲雀はクスッと笑って口を開いた。








「1つだけ、」

「え?」

「1つだけ欲しいのあるよ」







雲雀がそう言うと紅月は輝いた顔をして雲雀の顔を覗き込む。








「私が準備出来るもの!?」

「ある意味では出来るよ。」

「何?何するの?!」







雲雀は学ランのポケットから小さな小箱を取り出した。
その中にある小さな輪っかのようなものを取ると、雲雀は紅月の左手を手に取った。


そしてその小さな輪…指輪を紅月の薬指にゆっくり填めた。








「!!!」

「さっき見つけたから買ったんだ。
──…僕、昔から君が欲しいんだけど。
僕のものになってよ。」

「……………」

「……紅月?」

「……………」

「…はぁ。」








グイッと引き寄せ、雲雀は紅月の唇に触れるギリギリまで顔を近付ける。
暫くは動かなかったが、少ししてハッと気がついた紅月はカァァァ…と顔を赤くした。







「な…なな…!?」

「顔近付けただけでしょ。
で、返事は?」

「ぅ…〜っ」








暫く言葉に詰まっていたが、紅月は顔を真っ赤にさせながら口をパクパクさせて呟いた。








「あ…わ、私も…」

「んー…ん、まぁそれで良いって事にしといてあげる。」

「してあげる、って私これでもいっぱいいっぱいで…くしゅんっ!」








反論していた紅月は吹いてきた風の肌寒さに嚔をする。
気付けばもう夜で、空には沢山の星や大きな月が広がり海面にそれらが映っていた。








「寒い?」

「大丈…くしゅっ」

「…寒いんでしょ?
我慢しないで言いなよ。」

「う…ちょっと寒い、です」

「ほら。」








雲雀は自分の学ランを紅月の肩にかける。
その仕草を見ながら紅月は驚いたように口を開いた。








「ちょ、これじゃ恭弥が寒いでしょ!?」

「これくらい大丈夫だよ。」

「ダメ!!風邪ひくでしょ!!」








そう言って紅月は学ランを雲雀の肩に掛け直そうとした。







「じゃあ…」

「え…?」

「これなら、良いでしょ?」






1つの学ランを2人で羽織るように掛けた雲雀は、紅月の肩を抱き寄せた。
雲雀の肩に紅月の頭が乗るような形になる。





これ以上何言っても無駄なんだろうかと思いつつ紅月は何も言わず、2人は暫く夜空を見上げていた。








「…………」

「……、……」

「ねぇ、」

「何────…」







沈黙を破った雲雀が声をかけてきて少し驚きつつも振り返った紅月は思考を停止させた。



冷風で冷えてきた唇に温かい感触。




それが雲雀のそれだと気付くのにそう時間はかからなかった。








「なっ…」

「クスクス…どうかした?」







楽しそうに笑いながら聞いてくる雲雀は確信犯だと紅月は思った。







「恭弥」

「何?」

「誕生日おめでと。」








ねぇ、


(…っていうか何かプレゼントしたというより貰っちゃった…)
(今年は君と君の唇貰えたし…来年は君の体いただこうかな。)
(!?ばっ…馬鹿っ!!)
(──…多分来年まで待てないかも)
(えっ…ちょ、きゃぁぁぁあっ!?)






ーーーー懺悔室ーーーー



凄く眠くて
途中何書いてるか覚えてません←
(現在AM1時45分)
スイマセン;





いろいろとする事が溜まっててなかなか他も更新出来てないです;;
雲雀さんのこのハピバ夢も0時過ぎくらいから急いで書き始めたんです;






 ┌────────────┐
 │  HAPPY BIRTHDAY!!  │
 │  CONGRATURATION!!  │
 │   雲雀恭弥君    │
 │   子安武人さん   │
 │   土方十四郎    │
 └────────────┘

 おめでとうございます!!






2010.05.05.

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