『悟郎とモブ』










「ユラちゃーんっ!」

「え……あ、風門寺く……」

「ダーメッ、ゴロちゃんのことはゴロちゃんって呼んでくんないとっ!」

「すみません」



最近、よく翼たちが話しかけてる女のコ。
楢川ユラちゃん。

あんまり派手じゃなくて、どっちかっていうと目立たない方の子。
だからなんで最初は翼たちの興味の対象になったのかよく分かんなかったんだけど。



「今日もかわいいです」

「ありがとーっ!ユラちゃんもポペラ可愛いよっ」



ちょっと頬っぺたをピンクにしながら笑うユラちゃんは、いつでもゴロちゃんを褒めてくれる。
それこそ、ちゃんと顔を合わせて話すようになってからは毎日。

よく見てたら、彼女はぜったい誰にも「ダメ」って言わないんだよね。

B6の皆が好きなことやってても、変なのーってヤな顔しないで受け入れてくれるんだ。

たぶん、そういうトコに、翼たちも無意識に惹かれてるんだと思う。



「ゴロちゃんね、ユラちゃんのことすっごく好きだよ」



女のコとして、というのもあるのかも知れないけど。
人として、すきなんだ。

伝えたくて言葉にすれば、彼女は照れ臭そうに笑いながら、答えてくれる。



「私も、風門寺君のこと、大好きですよ」










(12/8/6)



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