青の季節





「ヨウスケは、いわゆる癒し系だと思うの」





「えぇ〜……ヨウスケは草食系じゃない?」

「……いやヒロ、ヨウスケはああ見えて意外と肉食系だぞ」

「なんでも食べるから雑食系だろう?」



ヒロ、ユウジ、タクトが口々に言う。

意味わかって発言してんのかな、この子ら……。



「よくわからないが、俺は好き嫌いはない」

「……!!よ、ヨウスケ!聞いてたの?」

「?あぁ、さっきからいたぞ」



突然うしろから聞き慣れた声がしたと思ったら、さっきまで話題の中心になってた人物がそこにいた。

キョトンと此方を見下ろしてくるものだから戸惑う。



「何の話だ?」



皆を見渡してコトンと首を傾げる姿が可愛すぎる。
私よりかなりおっきい癖に、何なんだ。



「……ヨウスケの好きな食べ物の話だっけ?」

「ヨウスケの好きなものの話じゃないのか?」

「……?好きな女(ひと)のタイプじゃなかったか?」



アンタら……。
揃いも揃って記憶喪失か。

まだ2分くらいしか経ってないんだけど。



「ちなみにユラの好きなタイプってどんな奴だ?」

「はぁっ?」



唐突にユウジがいい笑顔で聞いてくるものだから、思いっきり変な声が出てしまった。

そんな私のリアクションに、ヒロとタクトが何故か過剰に反応する。


「え、もしかして、ユラさん……好きな人がいたり、する?」

「なっ……!き、聞いていないぞそんな話……!!」



いや、聞いてないもなにも、言ってないし。

というツッコミは心の隅に追いやって、私は無意識にヨウスケに視線を送ってしまった。

ばっちりと、蒼い瞳と出合う。



真顔のまま彼は口を開いた。





好きな奴って、誰だ?」





アンタが聞くな。



なんて、言えるわけもなく。

私は即その場から逃走を図ったのだった。










(12/3/24)

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