愛Loveシェイカー
「あ」
「…どうした?ユラ」
「…アーサー…」
あたい、やっちまったよ。
そう呟けば、予想通りのしかめっ面が返ってきた。
そりゃそうか。
「………悪い。オレにもわかる言葉で説明してくれ」
「ごめん。あたし英語むり」
「…〜っ、ユラのばかぁっ!!」
あ。弄りすぎた。
机に突っ伏して泣き出すアーサーにハンカチを押し付けると、あたしはわざとらしく溜め息を吐いてみせる。
イメージは悩ましげな女子生徒会書記。
いや、あたし生徒会じゃないけどね。生徒会なのアーサーだけどね。
「…ぐす…っ…、…で?なにを、やっちまったって…?」
「あー、うん。…実は、昨日アーサーに借りたマフラー…昼休みにフェリ達と作った雪だるまに巻き去りにしてきちゃった☆」
「はぁっ?!」
いま放課後だしなー。
外、超吹雪だしなー。
「ねぇ、アーサー。凍っててもマフラー使えるよね?」
「返すのか?!凍ったままの状態で返す気なのか?!!」
「え〜、だめ?」
「っ、か、可愛く言っても、だ、だだダメだからな!」
意思弱そうだなオイ。
アーサーの可愛いポイントはよくわからないけど、今回は120%あたしが悪い。
仕方ないから鞄からしっかり包装されたブツを取り出す。(あれ?なんか物騒ね)
「ごめんなさい。これで許して」
「ぇ?」
少し、いやかなり早いけど。
「はぴぷれ」
「…………」
「………だめ?」
「だ、だめじゃない」
「…よかったぁ!アーサーのそゆとこ超すき!」
「!!!」
(…不意打ちすぎるだろばか!)
――――――――――
英はひたすら彼女に振り回されまくってればいいという願望。
(11/06/17)
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