ところで今日は




「銀さん」

「おー、どうしたのユラチャン。そんな「思春期ど真ん中ですぅー」みたいな顔して」



そっと窺うように近づいて来たユラに笑顔を向ければ、困ったような表情が返ってきた。

あれ。
いつもならココで。

「そんな顔してないし!」

って照れながら否定してくんだけどね。

で、その時の顔が可愛くてたまらない訳ですよ。
銀サン的にドストライクなんですよ。



「……、…笑わないでほしいんだけど……」



え。

なに。



「実はね」



ナイショ話をするかの如く愛らしく俺の耳に唇を寄せてくる。

無防備すぎるその姿に、こちとら最後の城壁を守る理性という名の戦士たちを総動員させてんだからね。



「……あたし、沖田クンのこと、好きなんだ」



「………………は?」

















「ちょ、おま、ちょ、えぇぇぇえぇ……!!!!?」



いやいやいやいや。
意味が分からないんですけどォォォッ!!!!!!!
なんで沖田クン?!!!!

つかオマエらいつの間に知り合いになったのォォォォォッ?!!!



「や、やめときなさいユラチャン。あの子、甘いマスクの下にとんでもないもん隠し持ってっから!いやむしろ隠しきれてないドS感ハンパないから!!!」

「ドSだからダメなの?」

「そんな小首をかわいく傾げてもダメだから!!銀サン許しませんよあんなドS王子!!」

「……銀さんもドSなのに」



突然冷静なコメント頂きました。



「銀サンと沖田クンのドSは種類が違うんですぅー!銀サンのドSは愛あるドSなんですぅー!!」

「じゃあ銀さんならいいんだ」

「そうそう、銀サンならいい……、…………はい?」

「うん。ほんとはあたしの好きな人、銀さんなんだよ」



………………。



「まじか」

「うん」





やべ。



俺の戦士たち死んだ。








「ユラ…っ!」

「ところで銀さん。今日何月何日か知ってる?」

「……は?」



今日は日曜だろ。

いや、たった今をもってユラと俺の子作り記念日になったけどな。



テンション上がりまくる俺をよそに、ユラは変わらず愛くるしい満面の笑顔で告げた。



「今日は四月一日。エイプリルフールだよ、銀さん」








俺のガラスハート。

粉砕しました。









――――――――――
銀さん好きだなー。
(12/4/1)

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