W booking!
この双子。
なんとかしてくれ。
クラスAとかホントない。
今からでも遅くないから、他のクラスに編入させてくれないかしら。
そんなちょっとした気の迷いを口に出したら、方丈の双子からクソみたいにバッシングを受けた。
「ばっかだなぁ〜。そんなこと出来るわけないでしょ?ユラはホントおバカさんだよね〜」
「Aクラスに何の不満があるんだユラ!おまえがどうしても…というなら、改善してやらなくもないぞ」
「強いて言うなら君たちの存在かな」
那智は腹黒いし、慧は天然すぎて収集つかないし。
なぜかこの二人、やたらと私に絡むもんだから疲労は増すばかりだ。
あからさまにため息をついたら、真剣に驚いた表情で慧が詰め寄ってきた。
「ぼっ、僕たちの存在…?!いつユラに嫌われるような事をしてしまったんだ僕は……!」
「いやー……嫌ってはいないんだけど。煩わしいだけで」
正直に伝えれば、固まる彼。
どんだけ打たれ弱いの。
「……おい。ユラが紛らわしい発言したせいで、兄さんが自己嫌悪に陥っちゃっただろ」
急に引き寄せられたと思えば、唐突に耳元で囁かれる。
「いや、慧がデリケートすぎるんでしょ。てか近いわ」
不満顔で言えば、似たような顔を返された。
私が悪いのかそうなのか。
納得いかずに首を傾げていたら、今度は慧の方を振り向かされる。
「……ユラ」
「はいはい何?てか慧も近……」
「僕が傍にいるのは、その……迷惑なのか?」
「……」
キラキラと淀み無い瞳で見つめてくる慧。
完全に罪悪感尋常じゃないんだけどコレ。
やっぱり私が悪いのコレ?
「慧、さっきのはユラなりの照れ隠しだってさ」
「そ、そうなのか?」
期待に満ち満ちた視線と話を合わせろという強烈な視線を受けて、つき掛けたため息を飲み下して笑った。
「うんそーだよ。慧も那智もわりと好きだよ」
「……っ!!」
「あははっ、わりとは余計かな〜」
真っ赤になる慧と黒いけど満更でもなさそうな那智の笑顔。
どうやら私は、気長にコイツらと付き合っていかなければならない運命らしい。
「ユラは、やはりクラスAに居るべき存在だな」
「てかフツーにおれたちの傍に居るべきなんだよ、ユラは」
「……」
でもやっぱりこの双子。
なんとかしてほしい。
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FD発売決定おめ!
(13/1/20)
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