感じる視線(side:T)


最近、ユラがヨウスケと一緒にいることが多い。


ヨウスケにその件についで追求したら

「ユラから相談を受けてる」

と意味深な言葉が返ってきた。



なんだ、相談というのは。

何故ユラは僕ではなくヨウスケに相談など持ち掛けるんだ。

いや、別に僕が彼女のことを、好意的に見ているのと相談云々は別問題だ。


……ち!違うぞ!


先に言っておくが彼女に、こここ好意をもっているというのは邪な感情とは断じて違う。


あくまで友人としてだ!!


そうあくまで友人として彼女に悪い虫が寄り付かないよう、四六時中見守っているし。

あくまで友人として彼女の好みは、服の趣味から食事、ペットとして飼いたいと思っている動物まで把握している。


ユラは人より少し抜けている所があるから放っておけない。

まぁそこが愛らしくもあるが、他の阿呆な男共が勘違いをして彼女に近づく危険性もある。



だから、今日も僕は少なめの昼食を食べているユラを一定の距離を保って見守っていた。

勿論、僕も昼食を摂っている。

昼時だからな。



一瞬、皿の中のシイタケに気づいて気をとられていると、次に顔を上げたとき、ユラと目が合ってしまった。


澄んだリュウキュウの海のようなその瞳に、捕らわれる。

目を反らすことが出来ずにいると、彼女の方があっさりと視線を落とした。


上がった心拍数と高揚した気分をそのままにそちらを見つめ続けていると、あろうことか、ヨウスケが彼女の前に座った。


なんだどういうつもりだ君は!?


あまりにも自然に会話している。

内容こそ聞き取れなかったが、ユラが不意に此方を見た。



期待を含むような、何とも言い難いその視線を受け止めきれず。
不覚にも彼女から顔を背けてしまう。


しかし、どんな理由があれど、これ以上あの二人を親密な雰囲気になどさせられない。


友人同士が親密になると周囲の者が気まずいからな!

ただ、それだけだ!!


飲みかけのさんぴん茶を一気に飲み干し、ユラのもとへと向かった。








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タクトの変態すぎる行動がいっそ愛らしい件。
(11/07/14)

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