感じる視線


最近、やたらタクトと目が合う。


ヨウスケに相談したら

「相手がタクトだからな」

と意味深な言葉が返ってきた。



先に言っておくと、私はタクトが嫌いじゃない。

むしろ好きだ。LOVEの方で。

そして、昔から好きになった相手を目で追う癖がある。

やたら見る。


イコール。


今は隙あらばタクトをガン見している状態だ。


だから、もしかしたら。


見すぎたのがバレてキモがられているのかもしれない。


『ユラのやつ、また僕を見ている、本当に気持ち悪い、ありえないな』


とか思われているかもしれない。


うわ、どうしようそんなの悲しすぎる。

気持ちを伝える前から変態扱いなんて。




そんなことを考えながら、今日も食堂で昼食を食べつつタクトを見つめていた。


サラサラの長い髪が揺れる。

切れ長の目が、緩やかに動く。



また、目が合ってしまった。



慌てて視線を反らす。


そのまま見つめ合うなんて荒業、チキンな私には出来ない。



俯いて食事を再開したら、不意に手元が暗くなったので顔を上げる。


ヨウスケが此方を見下ろしていた。



「ここ、いいか?」


「あ、うん」


「……タクト、」


「えっ?」


「こっち見てる」


見すぎを注意されるかと一瞬思ったけど、違った。

珍しく笑みを浮かべたヨウスケが続けた一言に、思わず先程までタクトがいたはずの場所を見やる。



視線が、ぶつかる。



今度はタクトが先に視線を反らした。


「…あの様子だと、2分もたないな」



呟いたヨウスケの言葉の意味を知るのは、それから僅か一分後。


こちらへとタクトが突撃してきた後の話。








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宮野サンが面白すぎる件。
(11/07/14)

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