『少しだけlamentabile』
まさか仙道君にアドバイスをされる日がこようとは。
でも、思い立ったが吉日。
あのあとすぐにバカサイユに向かった私は、真壁君にちゃんと謝って、よかったら一緒に夏祭りに行ってもらえないかと伝えた。
「yes」の返事をくれた彼の笑顔を見て、少しの安堵とよくわからない不安が入り交じったのは事実。
ずっと、私は周りの目ばかり気にしている。
B6のみんなに近づき過ぎないよう警戒している癖に、認知されて喜びを感じる矛盾した心。
嫌われたくはないから体裁は整える自分への嫌悪感。
そんな私と距離を縮めてくれようとしている真壁君への罪悪感。
汚くてドロドロした、誰にも悟られたくない感情を隠してる。
そう、私は特別なんかじゃない。
ちょっとB6の事情を知っているからって、他の子より彼らに近いと思い込みたい……
ただの一、モブに過ぎないんだ。
(12/9/27)
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