『Devilkinに相談を』
「なぁにシケたツラしてんだァ?」
「い、ったぁぁぁ…!仙道君っ!何してくれやがりますかいきなり!!」
「テメーがボケッとアホみてーに突っ立ってんのが悪ぃんダロッ!」
「でた……仙道君の理不尽攻撃……!」
渡り廊下の途中にいた楢川に一発喰らわせたら、すげぇリアクションが返ってきやがった。
相変わらずおもしれー女。
さりげなく俺様を本気で殴ろうと……しかもグーで……振りかぶってくるけど、ヨユーで交わす。
「反撃するつもりならもっと気合い入れてこねェとあたんねぇっつーの!」
「……、今は仙道君に構ってる心のゆとりはないのでほっといてくれませんか?」
「はァ?あんだけ本気で俺様を殴ろォとしといて、なーにいってんだテメーは?」
「さっきのは反射行動です!」
反射的に男にグーで殴かかる女がドコにいんだよ。
いや目の前にいっけど。
まぁ確かによく見たらいつもよかテンション低ぃな。
こっち見ねぇし。
……面白くねー。
「ンだよっ、ダレかとケンカでもしたのか?あ?」
「……え、何で分かったんですか……?」
「はァァ?まっじかよ当たってンのかよ!テキトーに言っただけだっつの!」
楢川の横に並ぶと少しケーカイした顔されたけど、こっちが何もする気がねーのを察したらしい。
すぐに視線が窓の外に戻った。
「……しにたい」
「うっぜぇな、ダレだよ相手は」
ボソッと呟いた楢川に聞いたら言わねーかと思ったけど、案外あっさりと「真壁」の名前を吐いた。
何か鬱陶しいもんが心臓のあたりに広がった気がしたけど無視する。
「カベだぁ?あんなバカとどうやったらケンカになんだよ」
「仙道君、バカって言う方がバカって言葉……知ってますか?」
「テメェ……本気でぶっ殺すぞ」
「はいはい、すみませんでした」
で、結局なりゆきとか聞いちまった俺様って超お人好しじゃね?
「つーか、最終的に一緒に行くのかよ、祭」
「……え……あ、どうなんでしょう……?」
「はぁぁ、オマエも大概バカだな」
「は?」
なんとなくカベと楢川が二人で出掛けんのは気にくわねーけど。
コイツがこのままのテンションなんも面白くねー。
「ンなもんオマエからもっかい誘えばカベの機嫌もなおっだろ!」
驚いたように目を見開く楢川にもう一発食らわせて、オレはさっさとその場を離れた。
ちっ。
めんどくせー。
(12/9/26)
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